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百周年でさらに信用得た=モジ=日本人気質の安部順二市長=任期振り返り「非常に満足」=教育、医療、雇用に尽力

ニッケイ新聞 2008年11月20日付け

 市長を務めた八年間は非常に満足だった――。今年の年末で二期八年間の任期を終えるモジ・ダス・クルーゼスの安部順二市長(67、二世)は、ニッケイ新聞の取材に対して自身の任期を振り返り、冒頭のように語った。日本人気質を押し出しながら、教育と医療関係を中心に尽力、さらに今年は百周年を記念して様々な事業を実施してきた安部市長。おかげで、モジ市民から八四パーセントの支持を得たという。任期終了後は、健康次第によって政治活動を続けていくという。
 大分県出身の祖父と父を持つ安部市長は「私自身日本人の顔をした二世。明治期にブラジルに来た日本人たちが、犠牲を払って多くの日系ブラジル人を作ってくれた。だから日本人が大事にしていた教育、誠実、まじめさ、責任など多くのことを学んだ。この日本人気質のおかげでブラジル社会に認められ、二期連続で市長に当選することができた」と感謝の言葉を口にした。
 モジ市の人口約三十七万人(日系人口は約三万人)のなかで、八四%という高い支持を得てきた安部市長は「これだけの支持を得たことを、ブラジル社会の日系人として誇りに思っている」と満足した様子で語った。
 初当選以後は「歴代の市長がやったことのないいことをやってきた。重点をおいてきたのは教育と医療関係」と振り返り、「非常に満足のいくものだった」と笑顔を浮かべた。
 その他に雇用に関しても力を入れてきた。モジ市内で十八歳以上の無職者は、〇一年の就任時は五万人だったが、現在では一万人近くまで減ってきているという。職を得るために、民間会社に土地を譲渡したり、他の市などからも来てもらったりして、多くの企業を増やしてきた。
 任期の最後の年となる今年は、ブラジル日本移民百周年。モジ市はモジ文協と委員会を作り、一体になって百周年を盛り上げてきた。
 二月のカルナヴァルから始まり、今月十日に行われた「雪村いづみVS沢竜二&宝塚OG 汗と感動のグランドステージ」まで、様々なイベントを開催した。安部市長は、「今回の百周年で市民からさらなる信用を受けた。ブラジル社会に見てもらって、日系人は素晴らしいと評価を受け、多くのお年よりも自ら行動して、ブラジルのモデルになっている」と満足した様子でこの一年を振り返った。
 日系社会に対して、「各日系団体がブラジルから褒められていて、誇りに思う。これから百年後、何があっても、男でも女でも父母、祖父母から頂いた教え、良い教育、真面目や誠実さを忘れずに伝えてもらいたい。ブラジル人に対して良い例として」と語った。
 最後に、市長の任期終了後に関しては「市長を辞めて元気ならまだまだやっていきたい」と意欲を見せた。

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