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日本のブラジル人学校で子ども減=景気後退で親が失業や転職=生徒減少が経営圧迫も

ニッケイ新聞 2008年12月4日付け

 【共同】米国発の金融危機による世界的な景気後退の影響で、日本にあるブラジル人学校に通う子どもたちが減少している。親の日系ブラジル人の多くは立場の不安定な派遣労働者で、失業や転職、帰国に追い込まれているためだ。学校経営も悪化、関係者は「財政的にぎりぎりで今後が不安だ」と窮状を訴えている。
 「子どもがちゃんと勉強できる環境にいるのか分からない」と心配するのはブラジル人学校「NER前橋」(前橋市)のジスレネ吉永校長(38)。
 約五十人のうち二十人ほどが九―十月で相次いで学校をやめ、半数は何の連絡もなく消えるようにいなくなった。言葉などの問題もあり日本の普通の学校にも通えないケースも多いとみられる。
 日系ブラジル人の集住地域、群馬県太田市のハローワーク太田では、外国人労働者の新規求職申込数が八月の八十二件から九月の百四十七件、十月の二百十四件と急増。親の失業は在校生減少、学校の経営難という悪循環につながる。
 ブラジル人学校のほとんどは無認可で、国や自治体の公的支援はない。学費を滞納したまま音信不通になる親もいる。吉永校長は「授業料はどうしても割高になる。家賃もあるし…」と経営の難しさをこぼしている。

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