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東西南北

ニッケイ新聞 2008年12月6日付け

 リオ市のファベーラで四日朝、パンを買いに行こうとした八歳男児が自宅前で銃撃され、死亡するという事件が発生した。母親は一発の銃声しか聞いていない上、現場から走り去る警察官の姿も見ており、警官が撃ったと主張。警察は犯罪組織の銃撃戦のせいだというが、事件当時銃撃戦はなかったと住民が反論。怒った住民らは近くの幹線道路を占拠し、車の焼き打ち騒ぎも起きた。事件から五時間後、現場から五キロ離れたファベーラでの「平和な領土」と題したイベントで、ルーラ大統領が「警察は住民の同伴者」と演説した言葉が空しく響く。
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 一九四二年に詩人のマリオ・デ・アンドラーデが詩に書いたジェズイーノ・ド・モンテ・カルメロ神父の絵が、サンパウロ市中央のカルモ教会で発見された。一七世紀から一八世紀に活躍した代表的な画家の一人で、詩には詠われていても、分厚い塗装で覆われていたため、実物が見つかっていなかったもの。胸元で両手を合わせ、ややうつむいた聖女カルモの周辺に天使やケルビムを配した絵は、ジェズイーノ神父の絵としては最高の傑作とも評されている。ジュズイーノ神父は、画家、設計士、錬金術師など、多才な人物。本名はジェズイーノ・フランシスコ・デ・パウラ・グスマン。
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 日本の自動車メーカーで、F1用レースにもエンジン部門で参加していたホンダが、F1からの撤退を発表。アイルトン・セナがマクラーレン車で三度世界タイトルを取った時のエンジンはホンダのものだった。ホンダのF1撤退で、セナの甥のブルーノやルーベンス・バリチェロ、ルーカス・ジ・グラッシのブラジル選手三人は今後の身の振り方を考えねばならなくなった。

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