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すくすく育つ生徒3人=自閉症療育の青空学級=生活療法の成果を発表=太鼓、自転車、縄跳びも=会場包んだ声援、拍手

ニッケイ新聞 2008年12月19日付け

 サンパウロ自閉症療育学級「青空学級」(PIPA=菊地義治代表)の「第三回発表会」が六日午前十時からサンパウロ市の日教寺体育館で行われ、駆けつけた約百人が見守る中、生徒の矢野顕人くん(10)、佐伯ひろしくん(11)、アンドレ・ペトルザニスくん(11)が立派に発表。自閉症児生活療法の専門家、三枝たかこJICAシニアボランティアを始めとする四人の教師や保護者、協力者らと二人三脚の努力の成果に、会場が震えた。拍手と声援に溢れる感動的な発表会となった。

 自転車に乗って登場した生徒らは、保護者や集まった関係者らが見守る中、体育館を二周。運動能力だけでなく危険察知能力などが必要とされる自転車を見事に乗りこなし、拍手喝采を浴び発表会が始まった。
 続いて、縄跳びを披露。一人ずつ跳び、縄を結んで床に置くところまできっちりやって見せた。そして全員で大縄を二十回、顕人くんは先生と一緒に同じ縄で跳ぶなど、一年間の成長を大いに伺わせ、関係者を感動させていた。
 続いて、三人が四カ月かけて完成させた巨大な動く絵を発表。へび、ライオン、魚、カニなどを、色彩とアイディア豊かに表現している。また特注バランス・ボードに乗って会場を驚かせた。
 続いて、生徒たちが竹馬に乗って登場。ここにきて泣き出す生徒もいたが、堂々と竹馬を乗りこなして体育館後口からステージへ到着すると、ブラジルで初めて自閉症児の教育に取り入れられたという太鼓を披露した。
 「えいやー」と声高らかな叫びと一緒に、ドンドンと太鼓の音が響き、生徒らはとても楽しそうに演奏していた。
 約十カ月間、子供たちに太鼓指導を行ってきた箕輪真弥さん(22、宮崎)は、「始めはバチを持つのも嫌がってたけど、だんだん慣れて今じゃ立派。個人差はあるけど、先生より覚えが早い子もいるんですよ」。
 発表後は、自分の名前を書いた手作りのクリスマスカードを来場者一人ひとりに手渡し、昼食会を行った。
 昼食会で教師らと一緒にあいさつに立った生徒を代表し、アンドレ君は「オブリガード」とマイクを持ってお礼。温かい拍手が贈られた。
 顕人くんの母、和美さん(34)は発表後、「努力と忍耐が必要ですよ」と穏やかな表情で苦労を洩らしつつ「(発表は)全部良かった」と満面の笑みを見せていた。
 この日は保護者や援協関係者のほかにも、専門家や自閉症の子供を持つ家族も来場。日本発の薬に頼らない「生活療法」を取り入れ、注目を浴びている同学級だが、家族の全面的な協力と努力が欠かせないことなどから敬遠されがちだ。
 三枝さんは、「親が死んだ後、自閉症の子供たちが自立して生きてゆけるように、日々一緒に学んでいます」と話していた。

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