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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2009年1月20日付け

 戦争が終わり国民学校(当時はこの名で呼ばれていた)に入ったころに担任の先生は「治山治水」は、国を治める根本理念ですーと教えて呉れたのだが、あの頃はよく理解できなかった。それほどに近くを流れる大きな川が氾濫し、堤防は決壊。田畑は濁流に襲われ被害は大きい。山々にも樹木は乏しく荒れ放題の山嶺だけが連なる▼この苦い経験から日本では、木を植えるのに熱心だし天皇陛下の記念植樹は今に続く。ところが、我らがブラジルはどうも山を緑にへの気概が足りない。60年代の後半に政府が、植林すれば税的な恩典を与えるとしブームが起こったけれども,いつのまにか下火になったような気もする。サンパウロの子らの絵を見ると、川を水色ではなく、土色に描くの笑い話があるのも、山に木がなく川が濁っているからであろうか?▼そんな哀しくも寂しい思いでいるところに日本のNGOオイスカが唱道する「21世紀の森つくり」が本格的に動き出したのは嬉しい。その一環として「日伯友情の森」を目指しての活動がもう始っている。10万本を植えるの運動で「一家で一本」をモットーにバスで現場に向かう人々の笑顔はとても明るく朗らかなのがいい▼唯一つ。これらの事業を支える資金のほとんどが、日本のイオン(スーパー最大手)や三菱自動車などの協力によるのは、いかがなものか。日本移民は原始の森を切り開き今日の繁栄を手にしたのだからー緑滴る森を再現するのは人間としての義務でもあり、もうちょっと力を注ぎたい。  (遯)

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