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富山県が研修員募集=教育経験あるサンパウロ州公務員

ニッケイ新聞 2009年1月27日付け

 サンパウロ州と友好提携する富山県では、日系ブラジル人が多く住む高岡市の小中学校に、サンパウロ州で教育経験を持つ人材を研修員として迎え、ポ語やブラジル文化に配慮した学習支援を実施し、日系人の保護者に対して日本の教育制度の理解促進に努める「多文化共生推進研修員事業」を行うにあたって、以下のような要項で人材を募集している。
 《人数》一人、《研修期間》五月二十四日から十一月下旬ごろ(六カ月間)、《要件》初等・中等教育経験を有するサンパウロ州政府公務員で、日本語能力試験二級以上の者、《研修内容》総務省によりオリエンテーションや全国市町村文化国際研修所による日本語や地方行政の基礎的研修、日本語とポ語を使用したブラジル人児童などの学習指導、ブラジル人児童の保護者と学校との連絡調整、日本の教育制度の習得など。
 なお、過去に「自治体職員協力交流研修事業」に参加した人は申請できない。サンパウロ州公務員として上司から研修期間、休職する許可がもらえる人に限る。
 富山県としては、日系ブラジル人の児童などは日本語能力に相当の開きがあるため、きめ細やかな個別指導や母語での支援をしていく方針だ。保護者に対して、日本の学校や教育制度に関する理解を深めてもらい、個別懇談会などでの通訳やお知らせ文の翻訳、保護者からの教育相談に対応したいと考えている。
 同県としては、研修員は帰国後に、習得した知識を活かしてサンパウロ州の教育制度の向上に貢献するだけでなく、日系社会の人材育成にも寄与することを期待している。
 同事業に関する問い合わせや申し込みは、サンパウロ州政府儀典局(電話=11・2193・8418)まで。9

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