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大耳小耳

ニッケイ新聞 2009年3月11日付け

 若い世代のみならず、老若男女が楽しむYOSAKOIソーラン。初の指導員である嶌原まさ子JICAシニアボランティアの後任の予定はない。受け入れ機関の態勢が整っていないことに加え、日本側でも踊りの指導、振り付けなど全般をこなせる人材がいないことも理由だとか。誕生から二十年も経たないが、日本文化としてコロニアに残っていくといわれるだけに双方の準備を整え、派遣を続けて欲しいものだ。
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 「踊りは上手いものの、何かおかしい」―。ブラジルのYOSAKOIを見て感じていたという嶌原さんの観察の結果、右手と右足、左手と左足を一緒に出すいわゆる「ナンバ」をしていないことが分かった。武士に代表されるこの動きは日本人ならさほど苦労しないそうだが、「YOSAKOIらしく踊るには欠かせない」とか。これも日本の身体文化の継承といえそうだ。
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 一九七〇年代、米国サンフランシスコで同性愛者やマイノリティの権利を訴えた政治家、ハーヴェイ・ミルクをショーン・ペンが演じた伝記映画「ミルク」が現在、サンパウロで上映中だ。テレビの吹き替えでペンの声優を担当してきたマルコ・リベイロ氏が今回これを拒否、別の声優が演じることになった。本人は否定しているが、同氏がリオの教会の牧師であることから、〃宗教的主義〃に反するからでは、と物議を醸している。

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