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東西南北

ニッケイ新聞 2009年3月13日付け

 絶滅の危機にある種も含め、年間五〇万の野生動物が不法売買されるブラジルで、十一日に連邦警察が野生動物密売者の摘発を行い、軍警五人を含む七二人を逮捕。環境保護区内で密猟した動物をリオ市や欧州に売っていたという組織で、二六人が今も逃亡中という。摘発はパラー、マラニョン、バイア、セルジッピなどの八州と、ポルトガル、スイス、チェコで行われた。贈収賄中心だった連警捜査の重点が麻薬と環境犯罪に移ったとの声はサチアグラハ事件の主任更迭などの影響か。
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 英国南西部のブリストルで四日夜、ブラジル人二人が、一五人位の青年達に襲われた。ポ語での会話中、何語で話していたのか、ポルトガル人かと聞かれ、ブラジル人だと答えたら、暴行されたという。鼻の骨折や内出血の痕、縫合された傷なども痛々しい二人の様子は十一、十二日のテレビでも放映された。現場付近は、ギャングの抗争が多く、反社会的な行動もよく見られる地域で、外国人排斥ではないと現地警察は言うが…。
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 マクドナルドやケロッグなどの多国籍企業が提供する子供向けの食べ物には糖分や塩分、脂肪分が多すぎたり、他国では禁じられた宣伝が行われていたりといった問題が十一日付エスタード紙で指摘されたと思ったら、今度は、ブラジル人は世界保健機構が定めた適正基準の二・五倍の塩分を摂取と十二日付フォーリャ紙。他の新興国では、工業生産された食品の塩分が高い例が多いのに、ブラジルは調味料として使う塩分が高いとの指摘も。塩分の取りすぎは高血圧や腎臓病にもつながる。十一日付フォーリャ紙にも、腎臓病で人工透析を受ける患者が八年間で八四%増えたとの報道があったばかりだ。

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