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パラナ州=草の根資金で冷蔵貯蔵庫=総領事館が生産者組合に

ニッケイ新聞 2009年3月14日付け

 日本国政府の草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じてサントアントニオ・ド・パライーゾ青果生産者組合(パラナ州同市)に贈与された冷蔵貯蔵庫の供与式が五日、同組合の施設内で行われた。
 昨年十月に在クリチーバ日本国総領事館と同組合との間で結ばれた贈与契約に基づき約四万九千米ドルが組合側に贈与され、冷蔵貯蔵庫が購入されたもの。
 供与式には、佐藤宗一総領事、被供与団体側からはシルヴィオ・シゲユキ・ナカムラ組合長はじめ組合員とその家族、また来賓として西森ルイス州議会議員、サント・アントニオ・ド・パライーゾ市のデヴァニール・マルチネリ市長、パラナ州農業連盟のリヴァウド・ジェミン理事等、さらにパラナ日伯文化連合会の嶋田巧名誉会長らを筆頭に周辺地域の日系団体代表も顔を揃え、出席者は計百人ほどに上った。
 同農業組合は一九九六年に日系を含む地元の中小農家によって組織されて以来、青果物の生産に従事してきている。冷蔵貯蔵庫の購入によって生産性が高まり、組合による青果生産量の増加、地元における雇用の創出にも大きく裨益するものと期待されている。
 佐藤総領事は挨拶の中で、購入された冷蔵貯蔵庫を活用することで青果物生産のコスト削減が進み、組合がさらに発展すること期待するとともに、今回の草の根資金協力を通じて日本とブラジルの友好の絆が地方レベルにおいても一層強まることを願う旨述べた。
 続いてマルチネリ市長が挨拶に立ち、同組合からの要望に応えてくれたことに謝意を述べながら、今回の援助は同市にとっても名誉な出来事である点を強調した。
 被供与団体を代表して挨拶したナカムラ組合長は、今回の贈与実現に対し重ねての感謝の意を表しながら、生産コストの削減と生産高の増大を実現し、地域における雇用の拡大にも貢献することで関係者に期待に応えたいとの抱負を語った。
 供与式ではまた、マルチネリ市長より佐藤総領事に市からの感謝状が手渡され、式の締めくくりとして佐藤総領事とナカムラ組合長が本件支援に対する感謝プレートの除幕を行った。続いて来賓は他の出席者とともに冷蔵貯蔵庫内を見学し、組合員や現地の日系社会の代表者たちとの交流のひと時を持った。

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