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ニッケイ新聞 2009年3月24日付け

 長年、研究員の不在が続いていたことから、「医者のいない病院」と揶揄されてきたサンパウロ人文科学研究所。このたび「本来の役目に立ち返るべく」奨学制度を設け、企業や篤志家の協力を仰いでいくという。とはいえ「現在の不況ではなかなか厳しい」と表情を曇らせる理事たち。しかし、このままでは資料が死蔵し、日本移民や日系社会の記録が埋もれていくばかり。重い腰を上げた人文研の挑戦に、賛同する心意気のある支援者が現れることを祈りたい。
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 県連ふるさと巡りに、サンパウロ州クリスタイス・パウリスタ市から参加した近藤満州美さん(ますみ、76、福岡)、幸子(75、二世)夫妻と話していて、息子の近藤英理男(エリオ)さんが昨年十月の統一地方選で、市長に二期目当選を果たしたことを聞いた。選挙の苦労話の後、話題は自然と世界不況と帰伯デカセギ問題になった。息子の一人を市長にしたが、同時に他の二人の息子はデカセギに行ったという。近藤さんは、「ここに根を下ろして、ここで苦労した方が良いと思う。ブラジルのためになることをやってほしい」としみじみと語っていた。
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 東京の吉祥寺にポン・デ・ケイジョ専門店が開店。だが、ただのポン・デ・ケイジョ店ではないようだ。トマトバジル、カレーベーコン、豆乳枝豆から、紅茶、抹茶とホワイトチョコ、シナモンレーズン、ココアとホワイトチョコ、きな粉&黒糖味など十四種を用意。加工好きの日本人の手にかかれば、ブラジルの国民的軽食も七変化どころではない。さてお味の方は…?

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