ホーム | コラム | 大耳小耳 | 大耳小耳

大耳小耳

ニッケイ新聞 2009年4月1日付け

 昨年九月に来伯した京都府知事から「交流のシンボルに」と京都会に贈られた雪割桜の苗木六本。今まで検討していた植樹場所がようやく見つかった。サンパウロ市ピニェイロス区プラッサ・ヴィクトル・チビタ(Praca Victor Civita, Rua Sumidouro,580)で七日午前十時から、植樹式が行われることに。まだ地に根を下ろしてなかった母県と同会のシンボルも、やっと根を張ってゆける状態になった。引退前の杉山エレーナ会長も安心顔。
     ◎
 在日ブラジル人の雇用・生活問題が深刻化する中、国内各地で地域社会から支援の輪が広がっている。ブラジルとの縁が深い日本力行会(東京都練馬区)でもこのほど、デカセギ支援の物資提供呼びかけをはじめた。同会が発行する「力行世界」によれば、デカセギ子弟の教育問題について協議を進めてきた愛知県刈谷市バチスタ・ビダ・キリスト教会の宮里マルコ牧師より要請があったことを受けて始めたもの。同会本部で保存可能な食料品や衣類などの支援を受け付けるという。
     ◎
 十六歳で渡日し、名古屋市立大学大学院で学んだ矢野ルシアネ・パトリシアさん(35、ベレン市出身)がデカセギ家族を研究した博士論文を美濃加茂市に提供したと岐阜新聞が報じた。六年間デカセギをして学資を貯め、アマゾニア大学で臨床心理士の資格を取得後、再訪日して院で学んだ努力の人。三年前の同院合格をニッケイ新聞でも報じ、その長けた計画性と実行力の高さに触れたが、「大学の教壇に立ちたい」との夢に着々と向かっている。四月に帰国予定だそうだが、これからの活躍が楽しみだ。

image_print