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ビバビーダ=共済会から保険会社へ=3月に正式登録を終了

ニッケイ新聞 2009年4月24日付け

 在日外国人向け健康保険会社のパイオニア、ビバビーダメディカルライフ社(旧・在日外国人就労者共済会VIVA VIDA!)=本社・神奈川県=が、関東財務局に保険会社として三月二十四日に正式に登録された。野口重雄理事長(52、東京)はその報告を兼ねた関係各団体へのあいさつのために三月二十八日に来伯し、四月三日の帰国前に来社した。
 規制する法律のない共済を悪用する業者が出たため、金融庁は〇六年四月から改正保険業法を施行して共済保険をなくす方針を出し、〇八年三月末までに条件の厳しい保険業者か少額短期保険業者(少短業者)に変えるように指導した。
 その結果、四百三十社あった共済会のうち、わずか六十社程度が正式登録したのみ。加えて新たに十社が参入し、この間に業界は激変した。
 さらに金融危機により昨年十月以降、同社では三割も契約者が減少し、現在では三千数百人ほどになった。野口理事長は「逆に新規で契約した人も五百人以上いる」といい、デカセギ本人の心構えに大きな変化が起きていることを示唆する。
 世界同時不況を受け、日本政府から日系人向け支援策が打ち出されるなど、外国人受け入れ態勢の問題は徐々に広く認識されるようになってきたが、同社は九八年から共済会を設立し、独自の取り組みをしてきた。今でも、唯一の外国人向けの保険サービスとなっているという。
 国民健康保険は本人三割負担だが、この保険では医療費一万円以上は一〇〇%を保障。もちろん、外国籍者しか加入できないが、年間保険料は五万三千五百円で、医療保険が最大二百万円、生命保障(死亡時)が五百万円となっている。「国民健康保険の一カ月分の金額で、うちの保険料一年分」と説明する。
 野口理事長は「四月からは事実上、保険会社という新会社としての船出」と意気込み、「日本における、外国人向けのセーフティネット(安全網)の役割を果たしたい」と表情を引き締めた。

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