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草の根協力でマイクロバス=モ・アグードの障害者施設に=生徒送迎の安全性を向上

ニッケイ新聞 2009年4月24日付け

 サンパウロ州モーロ・アグード市で三月二十四日、同市の「アンドレ・ルイス」スピリティスト福祉センターに対する日本政府草の根無償資金協力の供与式が行なわれ、ルーシー・エレーナ・サンパイオ・モンテス同会会長、大部一秋在サンパウロ日本国総領事らが出席した。
 今回の協力は同センターが昇降機付きのマイクロバスを整備するために行なわれたもので、供与額は約十九万一千レアル。
 同センターは一九九六年に設立され、一般市民等からの訴え(虐待、育児放棄等)により警察等に保護された障害者に住居や生活サポート等を無料で行なっている団体。手術や病気等で特別なケアが必要な一人暮らしの老人等の一時保護も行なうほか、〇五年からは障害者の教育にも取り組む。
 これまでは保護および教育を受けている八十一人を八人乗りワゴン車と救急車で送迎していたが、安全装置が未整備のため、危険性がある上、急病人が出た場合、送迎が大幅に遅れるなどの問題があった。
 午前十時から行なわれた供与式でモンテス会長は、「我々の活動が継続できたのは、心より協力してくださる方々の力があったから」と述べ、「特に重度の障害を持つ車椅子利用者や寝たきりの者にとって、適切な運送手段を得ることができた」と日本政府の協力に謝意を表わした。
 ブルニャーラ市長代理は「モーロ・アグード市の日系人の数は少ないが、彼らは活動的で社会に貢献をしている」と述べ、総領事の来訪を喜ぶとともに、「このたびの日本政府の協力により、我々の子供がより人間的な生活を実現できたことをありがたく思う」などとあいさつ。
 大部総領事は同センターの活動に敬意を表わしながら、今回の協力により「生徒たちが安全で、滞りなく送迎ができるようになることを期待する」と述べた。

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