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相撲=国際大会に出場したい=立ちはだかる資金難の壁=選手らが協力呼びかけ=財政厳しい相撲連盟

ニッケイ新聞 2009年4月28日付け

 世界大会出場の壁は資金不足――。今年七月に台湾で開催されるスポーツ競技世界大会「ワールドゲームズ」に参加するために、力士の樋口高大さん(26、サンパウロ相撲愛好会所属)、ワタナベ・ルシアーナさん(24、ノーバ・セントラル所属)らが資金集めに四苦八苦している。世界中からスポーツ選手四千五百人が集結し、三十二種目にわたり力を競う同大会。ブラジル相撲連盟も資金難のため負担ができない状態だ。世界の檜舞台でブラジル代表として戦うために、力士らが資金協力を呼びかけている。
 「優勝したい。でも…」。昨年エストニアで行われた世界女子相撲選手権大会中量級で五位にまで食い込んだワタナベさん。まだ伸び盛りで自信を覗かせつつも、資金難のために表情を曇らせる。
 前回のワールドゲームズでは、あと一人というところで表彰台を逃した。「次回こそは――」とやる気に満ちている。だが、資金がなければ舞台にすら立てない。
 政府から同連盟への援助は毎年あるわけではなく、年々相撲人口も減りつつあり、厳しい財政状況を強いられているという。
 今年度パウリスタ・スポーツ賞を受賞した樋口さんも、「多くの選手が揃うこの大会でチャンピオンになりたい」と意欲を見せるが、出場できるか分からない状況に頭を痛めている。
 午前中は大学で法律を学び、午後はリベルダーデの居酒屋「金太郎」で働き、稽古をするのは昼。樋口さんは、世界相撲選手権大会に四回出場し、昨年は五位だった。多忙な毎日だが、コツコツと世界一を狙うブラジルを代表する力士だ。
 オリンピックの補完的意味を持つという同大会。四年に一度、夏季オリンピックの翌年に開催され、今年はブラジルから六人が出場する予定だったが、それも資金難のために五人に減らされた。
 二人は、「協力をよろしくお願いします」と、出場力士五人分の航空券代など合計三万レアルを目標に支援を呼びかけている。連絡は金太郎(11・3277・9124)まで。

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