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日系子弟に日本語教室=文科省が公立校転入支援

ニッケイ新聞 2009年4月28日付け

 【共同】文部科学省は二十六日までに、不況で家計が苦しくなり外国人学校に通えなくなった日系ブラジル人らの子どもが、学費負担が少ない日本の公立学校に転入しやすくするため、全国約五十カ所に日本語教室を設置することを決めた。
 景気回復までの緊急措置として三年間実施する予定で、二〇〇九年度補正予算案に三年間分の経費約三十七億円を計上。今夏にも小学校から高校までの学齢の子どもを対象に、最長で半年程度の授業を行う教室の設置を始める。
 国内で暮らす日系ブラジル人は派遣労働者が多く、失業が深刻化。文科省によると、ブラジル人の子どもにポルトガル語などで授業をしている外国人学校で、月額三―四万円の学費が払えずに退学するケースが続出。日本語が十分に話せないなどの理由で公立学校に転入せず、不就学状態の子どもが少なくとも千人いるとみられる。
 文科省は、定住外国人が多い地域の自治体や市民団体などを学校運営の主体として公募し、教員の態勢などを審査した上で、年間数千万円程度の運営費全額を交付。公民館などで、日本語や算数などをブラジル人教員らを交えて無料で指導、公立学校との相互訪問も行い日本の学校や生活習慣になじめるようにする。

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