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移民資料室のある図書館=和歌山県=公共図書館では日本唯一=「貴書を誰でも気軽に」

ニッケイ新聞 2009年5月6日付け

 【和歌山県発=坂上貴信通信員】日本国内の公共図書館としては、唯一移民資料室を所有している和歌山市民図書館(木村哲文館長)。今回、同資料室の整理、運営などを一手に担っている和歌山市教育委員会生涯学習部の市民図書館奉仕班長、中谷智樹司書(53、和歌山)に資料室の話を聞いた。

 同図書館は一九八一年に設立。その後、八四年十二月、資料室は完成した。両方が完成した当時の和歌山市市長・宇治田有三氏の〃地域の特徴のあるものを集めて、日本一を目指してほしい〃との要望から、多くの移民を輩出している和歌山の歴史にちなみ、移民に関する書物を収集する運びになった。
 しかし、作業は難航。中谷司書は「他に前例がなく、色々な人に聞き、試行錯誤を繰り返し、色々な人と協議を重ねながら完成に漕ぎ着けることができた」と当時を思い出しながら語った。また、目録作成にも大変な手間がかかり、一つ一つ手作業でどのようにすれば検索し易いかなども常に考えながら作ったという。
 同資料室に収集されている資料は、書籍や雑誌、新聞のマイクロフィルムなどを併せて約一万点。そのうち、約八千点がデータベース化されている。資料の中心は、世界中における日本人の海外移住についてで、明治以降のものが大半を占める。地域に目を向けると北米、中米、南米、オセアニア、満州など様々。また、北海道にわたった移住者たちや、都道府県別移住者リストも所蔵されている。
 「ウェブ上で移民資料の検索をかけることも可能です。二〇〇三年十二月にインターネットが稼動して、現在のところ三千点が閲覧可能になっている。公立図書館では唯一でしょう」と胸をはる中谷司書。
 同室のデータベースは独自に改良されており、研究者をはじめ、一般市民も利用しやすいようになっている。多くの人が研究しやすいようにとキーワード検索機能もつけられている。一番の売りは貴重な資料を自らの手で触ることができることだ。国立国会図書館などではなかなか手にとることはできないなか、〃貴書が市民に見られることも、触れられることもなかったことはおかしい〃との考えで運営されている。
 最後に中谷司書は「日本の公共図書館でも、このような取り組みをしている所があることを、少しでも多くの人に知ってもらいたい。身内で移住した人の足跡を辿ることも可能なので、是非一度は足を運んでもらいたい」と希望を口にした。
【和歌山市民図書館】▼住所=和歌山市湊本町3丁目1番地、▼電話=073・432・0010、▼サイト=図書館(www.lib.city.wakayama.wakayama.jp/)、資料室(www.lib.city.wakayama.wakayama.jp/wkclib_doc/imin-top.htm)、▼会館時間=月~木(十時~二十時)、土・日(十時~十八時)、金曜休館。

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