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東西南北

ニッケイ新聞 2009年5月12日付け

 豚インフルエンザの患者が最も多い米国で、国民や管理当局の神経を逆なぜするような企画が発表された。インターネットで呼びかけられた企画は、豚インフレにかかるためのパーティ参加を呼びかけるもの。今かかれば免疫が出来、より強いウイルスが来ても平気だというが、当局は誤った認識と警告。水疱瘡のように小さい時罹った方がよいといわれる病気もあるが、予防接種ワクチンも出来ない内にウイルスを撒き散らされたら、医療機関の対応は患者蔓延に追いつかなくなる。
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 国内の米国大使館が、来館者の健康状態に神経質になっている。風邪の症状がみられる人には、回復してから出直すように指示しているもの。ビザ申請などは時間のゆとりと健康に気をつけて。一方、六〇歳以上の人を対象とする風邪の無料予防接種は十五日まで延期。豚インフル以外の風邪に免疫が出来ている事が、新型インフルエンザに対しても好影響をもたらすと保健省。また、豚インフルの致死率は一般の風邪と同程度なので、慌てる必要はないとも。
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 母の日は花の売上が多い日の一つだが、サンパウロ市西部ジャルジンスで、花の配達を装った強盗約一五人が、応対に出た男性や家人を拘束して狼藉を働くという事件。犯人達の本当の狙いは金庫だったというが、金庫に金目のものがなく、家中を物色した結果、宝石類や絵画四点を持ち去った。カンジト・ポルチナリの「カンガセイロ」と「マリアの肖像」、タウジーラ・ド・アマラウの「青に囲まれた肖像」は国際的にも知られた物で、被害総額は時価三〇〇万レアル。タルジーラの作品はフランス滞在中の記念の品だという。人的被害はなかったがフランス年にちょっと悲しい出来事。

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