ホーム | 日系社会ニュース | 神谷市議めぐる「豪邸報道」=メディアに釈明文書送付=「違法性はない」と主張

神谷市議めぐる「豪邸報道」=メディアに釈明文書送付=「違法性はない」と主張

ニッケイ新聞 2009年5月13日付け

 昨年十月の統一地方選で四度目の当選を果たした神谷牛太郎サンパウロ市議(DEM)に資産の申告漏れがあったとして、各メディアによって報道された。神谷市議が選挙高等裁判所に対し、聖北セーラ・ダ・カンタレイラにある邸宅を申告していなかったというもの。十一日の夕方、神谷市議は各メディアへ公式文書を送り、自身の立場を説明した。

 神谷市議は文書の中で、メディアで取り上げられた報道には偽りがあったと次の通り弁明する。
「▼ニュースで取り上げられた不動産のある土地は一九九一年に購入したもので、不動産登記所で正式に登録されている。▼土地の面積は約四百平方メートルで住居は現在建設途中。住居は約三百平方メートルでの完成予定。▼現在建設途中の住居は報道されたような「豪邸」や「宮殿」に匹敵するものではない。豪華なエレベーター、プールは存在しない。▼工事は途中だが、総工費は報道されたような膨大な金額の十分の一にも達しない。▼すでに検察局に提出した書類の中で、同不動産に規則違反はないことを立証している」
 神谷市議は秀島マルセロ氏の父親と交友があり、一九九九年に経済的援助を受けていたという。
 その際、神谷市議は自身の健康を懸念したこともあり、秀島氏の父にその土地の保証人になってもらうことを申し出た。秀島氏の父がそれを断り、書類上秀島マルセロ氏の名前で登録されることで決着がついた。
 神谷市議の病気は癌で、親族や近い友人にしか伝えられていなかったという。
 神谷市議は、二〇〇三年一月借金の返済が全て行われたことで、書類上の所有者は秀島氏から神谷市議に戻ったと主張している。
 一連の報道に端を発した論争は鎮まったが、この期間、神谷市議同様秀島氏側も不公平な汚名を着せられたという。
 神谷市議はこのような経緯から、この地を巡ってのやり取りは多々行われたが違法ではないと説明。同市議は公に秀島氏との関係を公表し、自身らの汚名を晴らすとしている。

image_print