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デカセギ帰伯者はどこに?=手探り状態のモジ文協=支援したいが相談なし

ニッケイ新聞 2009年5月14日付け

 「恥ずかしいからなのか、一人も相談に来ない。どんな支援を彼らが求めているのか、何が必要なのか分からない」。モジ・ダス・クルーゼス文化体育協会(中山喜代治会長)は四月、デカセギ帰伯者の支援を打ち出したものの、一カ月以上経った今も〃待ちぼうけ〃のようだ。中山会長に話を聞いた。

 「訪ねてくれれば何か支援するんだけど…」と話す中山会長。「うわさだと、五千人くらいがモジに帰ってきているっていう人もいる」というが、文協に相談に来たデカセギ帰伯者はいない。
 モジのSEBRAE(中小企業支援サービス機関)の説明会には、デカセギ帰伯者の姿もあったという。中山会長は足を運び「何かあれば文協へ」と呼びかけたが相談に来ることはなかった。
 帰伯者子弟の教育問題が、雇用問題と同じくらい気にかかるところだ。多くの子どもたちは、ポ語が話せないと予想されている。文協では「緊急でポ語のクラスを作ることも考えている」。しかしそういった相談件数もゼロだ。
 「何をしたら良いのか、正直分からない」のが率直なところ。中山会長はリベルダーデの文協に相談するも、同じく相談者が少ないという状況だった。「家族や親戚、友人を頼っている人が多い。日本人はやはり恥ずかしさがあるんじゃないでしょうか」と分析する。
 文協としては、新たな人材を活動に取り入れる良い機会でもある。「地域の日系社会が支える役目があるし、また文協も新しい人を取り入れて仲良くやっていけたら。医者や学校のことなど、ブラジルのことが分からなかったら文協が力になる」
 何時までたっても〃待ちぼうけ〃にならぬよう、派遣会社や旅行社にも聞き取りをしている最中だ。「データをとって、これから具体的なことをしていきたい」。模索が続く。
 モジと同じく、デカセギに行った日系人が多いサンパウロ州バストスやパラナ州アサイでは、市役所が支援に乗り出している。
 バストス市の商工観光局は、帰伯者の再就職を目的として、相談や「地域の労働市場の現状」「履歴書の書き方」といった講演会開催、職の斡旋をしている。
 地元のラジオや新聞で参加を呼びかけ、一カ月で二十人が相談に訪れた。まだプロジェクトは始まったばかりだが、すでに就職先が見つかった人もいるという。
 こういった日系団体や市が協力体制を作り、幅広いセーフティーネットを構築することが今後求められるだろう。

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