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ジガンテのエースが日本へ=ソフトボール=4世の比嘉まゆみさん=「後進に道開きたい」

ニッケイ新聞 2010年2月25日付け

 ブラジルのエースが日本へ―。ブラジルのソフトボール界を牽引してきた比嘉ニウゼまゆみさん(23、四世)がこのたび日本の実業団リーグでデビューする。まゆみさんは名門「戸田中央総合病院・女子ソフトボール部(埼玉県)」と1年契約を結びプレーする。出国前日の4日、パウリスタ野球・ソフトボール連盟の沢里オリビオ会長と共に本紙を訪れ、抱負を語った。
 きっかけは、ブラジルソフトボール界の技術向上のため、1997年から約10年間、指導者を送り続けた早稲田大学ソフトボール部の吉村正監督が、2007年に初来伯した際、身長174センチから放たれるまゆみさんの投球を見て気に入ったことから。
 その後、まゆみさんは日本を2週間ほど訪れ、同大学の練習に参加したり、野球の早慶戦を観戦したりと、日本の球界を肌で感じ、思いを強めていった。
 兄の影響から7歳でソフトボールを始めたまゆみさんはジガンテ・ソフトボールクラブに所属し、当時から背が高くピッチャーとしてならした。15と16歳の時にはジュニアのセレソンに選ばれ、南米選手権でブラジルを2連覇に導いている。それから現在まで、常にセレソンとして活躍、08年には第52回パウリスタ・スポーツ賞を受賞している。また、まゆみさんはサンパウロ大学で食品工学を修めた。
 まゆみさんは「10年間、ブラジルのソフトボール界に対し、指導者を派遣してくれた関係者に感謝したい」と謝意を表し、「結果を出し、後に続く人が日本へ行けるようにがんばりたい」と抱負を述べた。
 沢里会長はまゆみさんについて、「子どもの頃は特に目立つ子ではなかったけど、努力だけは人一倍していた。是非頑張ってほしい」とエールを送った。
 母親のイネスさん(58、二世)は「日本は寒いから心配ですね。でも、日本でプレーしたいという夢が叶い、私も嬉しい」と感想を述べた。
 現在、実業団では、日本代表選手でもあるデンソーの染谷美佳投手(26、二世)の活躍が挙げられる。

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