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マット・グロッソ州=ウエムラさん死亡事件=元恋人の弁護士を聴取

ニッケイ新聞 2009年5月14日付け

 マット・グロッソ州の「クイアバ・メディアニュース」九日付によれば、同州シャッパーダ・ドス・ギマランエス市警は、四月二十九日に起こったウエムラ・エイコさん(23、学生)死亡事件の捜査を強化した。
 エイコさんは、シャッパーダ・ドス・ギマランエス国立公園(クイアバから北に四十五キロ)の観光スポットで「地獄の入り口」と呼ばれる約八十メートルの高さの断崖から転落死した。
 エイコさんの叔父は、詐欺などを繰り返す特殊犯罪組織のリーダーの容疑で三月四日にサンパウロ州検察局の組織犯罪対策特殊活動班(Gaeco)に逮捕された経営者ウエムラ・ジュリオ氏。
 同捜査は当初恋愛問題を動機とする自殺に焦点を当てたが、事件の被害者である可能性も捨ててはいない。
 二十九日に行われた検死の結果、エイコさんは断崖から転落する以前、外部から何らかの暴行を受けた可能性があることが判明。
 エイコさん殺害疑惑が浮上したことから、今月五日、同市警ではエイコさんが恋愛関係を持っていたセバスチアン・カルロス・アラウージョ・プラド弁護士の取調べを行った。
 専門家の分析では、死後前に残しているメモから自殺を図る様子はみられないと結論が出された。エイコさんの自家用車から発見された二枚のメモには、おばと友人の住所が書かれていたという。自殺の可能性は低くなったと見られている。
 同市警ジョアン・ボスコ警察署長による調査が全て終わり次第、捜査結果は今月末にも明らかにされる見通しだという。
 現段階では、エイコさんが毒物を飲まされた可能性、事件当時麻薬、アルコール類を服用していた可能性があると見られている。