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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2009年5月28日付け

 文協の新執行部が決定(本日付け七面)、シャッパとして提出された十人以外の十五理事、高等審議会と顧問会のメンバーが発表された。コロニア巷間を賑わせた昨月二十五日の選挙から、はや一カ月。体制打倒を掲げた小川彰夫・谷広海派からの〃入閣〃はなかった▼同派が政党を結成し、評議員会のなかでの発言権を増していくとの話もあったが、小川氏によれば、「そのような取り決めは一切していない」。同派シャッパの第一副会長だった池崎博文氏が顧問となったことも了解済だとか。選挙後、「文協を良くしたい思いは同じ。(同派の)執行部に入ってくれるよう交渉をしている」と体制派幹部は記者に語ったが、「そんな打診は全くなかった」との声も漏れてくる。それ以前に、副会長、専任理事などの重職を決めてしまう現行のシャッパ制度では、難しいところ▼高等審議会に、飯星ワルテル、ウィリアン・ウー両連邦議員、西本エリオサンパウロ州議を迎えたことは評価したい。過去を辿れば、日系議員はほぼ文協顧問会メンバーとなり、ブラジル社会への窓口となってきた。目を転じて、対日本の窓口はーとなると心許ない。理事メンバー二十五人のなかで、一世は林まどか副会長(裏千家ブラジルセンター)一人のみ。ほぼ完全な「二世団体」となった形だ▼注目したいのは、文協の主要な役割として定めた「運営」「文化・社会」「地方連携」の三部門に、副会長や理事が担当者として入ることだ。約三十の小委員会も各部門に属することで、責任や立場を明確にすることが目的だとか。ともあれ、木多体制の船出を見守り、その手腕に期待だ。  (剛)

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