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東西南北

ニッケイ新聞 2009年7月25日付け

 一五年前にリオ市のファヴェーラ・ロッシーニャに誕生した小さな音楽学校が輩出した音楽家達が、学校の創始者であるドイツ人教師の母国で二七市を巡る音楽ツアーを行う。月謝も払えないファヴェーラ住民の実情に触れて心動かされたハンス・ウルリッヒ・コッホ氏が、月謝を払えない子供にも機会をと願い、教会の一室を借りて始めたという学校で、卒業生が音楽ツアーを行うのは二度目。今回は、フルートにギター、ウクレレ、タンバリン、小太鼓の五人のグループ。学校創設から四年後にドイツに帰国したものの、教え子や卒業生達の活躍をいつも見守り続けてきたコッホ氏の顔に、再び満面の笑みが浮かぶことだろう。
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 新型インフルエンザの拡大で保健所や病院に行く人が増えているが、二十四日に保健省が、ブラジルの場合、風邪の症状が出て真性か否かの判定検査を受けた人の六〇%が、新型インフル感染者だったと発表。アルゼンチンやチリの九〇%と比べると、ブラジルの新型インフル感染率はまだ低いともいえるが、二十二日に同疾患による死者が、サンパウロ州で三人、リオで三人確認され、死者総数は二九人に。二十四日には南大河州で更に五人との報道もあったが、保健省が同日、二重登録によるミスで二九人と訂正。十八日までの真性患者数一五六六人は間違いなし?
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 二十四日未明は二十三日以上に冷えた南大河州やサンタカタリーナ州では、マイナス五・八度を記録という報告もあり、テレビでも、樹氷が朝日に輝き、市民や観光客が歓声を上げている様子が報じられた。寒さと雨到来のサンパウロ市では、二三カ所での洪水や事故の報道。バイア州では最低気温二一度の報道が信じ難い朝だった。

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