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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2009年7月28日付け

 その昔―「バカヤロウ解散」というのがあった。首相の吉田茂に社会党右派の論客・西村栄一が国際情勢について質問しているときに吉田茂が「バカヤロウ」と呟いたのがマイクに入り大騒ぎになって解散したものであり、このときの騒動は今も政界の語り草になっている。選挙結果は自由党が大敗し、吉田退陣に繋がる▼さてー今度の解散はどう呼ぶべきなのか。マスコミや永田町ではいろいろと語られているようだけれども、どうも決定打となる満塁ホームランはない。まあ、自民党内に反麻生の動きはあったが、最後はシャンシャンの手打ち式での巻く引きはいささか情けない。こんなしょぼくれではとても勝てないだろうし、世論も民主党優勢、首相は鳩山由紀夫を第1に上げる有権者が多い▼週刊誌の予想も当選者は民主261、自民160と厳しい。そして決り文句が「自民大敗・民主圧勝」では、麻生太郎首相もたまった物ではなかろうとご同情申し上げる。だが、目下の情勢では民主党が中心となる政権が誕生する見通しが強い。あのワンマン宰相が「バカヤロウ解散」で潰えたような二の舞を麻生首相が演じないようにと唯々祈る▼それに民主党の公明党攻撃も凄い。大田昭宏代表の地盤である東京12区に青木愛氏を立候補させ冬柴鉄三前幹事長の兵庫県8区には民主党推薦の田中康夫参議が出馬である。ある新聞には「民主党、公明代表に女性刺客」の見出しが躍り、支援の創価学会は憤怒の形相らしく、将に「血戦」であり、この政権を懸けた選挙は超激戦なのである。 (遯)

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