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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2009年9月30日付け

 「一時代が終わった」。群馬県大泉町の友人からの知らせを読んで、そう感じた。コラム子は同地で約4年間を在日ブラジル人と共に働いて過ごしたが、うち1年余り働いていたブラジル食品雑貨店「キタンジーニャ」が店を畳んだと教えられたからだ。大泉は人口の一割がブラジル人の〃ブラジルタウン〃として90年代前半に有名になり、「日本のリベルダーデ」ともいえる象徴的な存在だ▼90年代後半には同店の年間売り上げは3億円にも達し、ちょっとした地元の日本人商店より多かったと記憶する。3店舗を持ち、特に96年に開店したブラジリアン・プラザ店は日伯の新聞テレビが競って取材した▼創業者の一人、商才に優れた新垣修はサンパウロ市ビラ・カロン区出身の二世で、90年の改正入管法施行によるデカセギブーム開始直後に創業し、今回の世界同時不況までのデカセギ全盛期を店主として過ごした。また昨年10月頃には、大泉最初のブラジル人向け店舗として有名だった「レストラン・ブラジル」も店を売ったと聞く▼大泉では地元日本人は車で移動するから、歩道を歩くのは外国人だけ、そこだけを切り取ればまるでブラジルに居るように感じる不思議な空間だった。工場の夜勤でもラインに並ぶのはブラジル人ばかりで、日本人は数人が管理職として脇にいるだけ。そんな光景が当たり前だった▼キタンジーニャ閉店が意味するのは、大幅な在日ブラジル人人口減もしくは経済力減だ。コミュニティの土台が揺らいている。先週末、東洋街のインフラともいえる日系商店が縮小閉店する記事を掲載したばかり。期せずして日伯両側で大変動が起きている。(深)

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