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日本文化を楽しむ一日=書華展、「節目」で竹

ニッケイ新聞 2009年11月4日付け

 「第21回書華展」(財団法人書海社南米支部、池坊華道会南米支部鈴木幸華社中共催)が10月24~25日、静岡県人会館で開催された。会場には池坊華道会南米支部の鈴木幸子社中15人が生けた20杯の花と共に、誌友会員ら18人が書いた31点の書も展示された。2日間で160人が来場、作品をじっくりと見る人たちの姿が見られ、終始和やかな雰囲気だった。
 会場に入ると、鮮やかな緑色の竹を使った作品が来る人を出迎える。鈴木さんによれば節目の年なので「節」のある竹を使った。竹ひごを細かく編んで作られた、かごのような花器に生けたものや、枝つきの竹を横に寝かせ、その姿をバッタに似せて花器にし、竹をくり抜いて生けたものなど現代的な作品も目立った。
 一方、書は掛け軸のように仕立て展示され、会員が書いた楷書、行書、草書、かな、隷書など様々な書体の作品が並べられた。講評し合うなど思い思いに楽しむ光景が見られた。
 大河原さんは「書と花は良く合います。持ちつ持たれつの関係。元気なうちは続けたい」と感想を語った。
 現在、書海社南米支部では14人の誌友会員と4人のメンバー、合わせて18人で活動しているが、会員には60代、70代が多く、最高齢は87歳、最年少は33歳で人数は横這い状態。
 10年以上続けている人が多く、会員は毎月課題を2つ日本へ送っている。「毎日10分間だけでも練習する」という大野宏江さんは、今回4点を出品した。現在、トゥクルビの日本語学校で日本語や書道を教えるが「黒板に綺麗な字を書いたり、絵手紙を書きたいから」という理由で書道を開始、現在十段で準師範を目指している。
 最年少で4年前に始めた千葉ルシアーナさん(33、三世)は二段の腕前。今回は2点を出品。楷書で堂々と書かれた作品の横で、「文字一つ一つに意味があるのが興味深い」と語った。
 21年前に書海社が書道展として始め、途中から生け花と合同になり、鈴木社中が参加して今年で10年目になる。

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