ニッケイ新聞 2009年12月3日付け
さらなる利用と会員増を望みたい――。サンパウロ州コチア市にあるカウカイア文化体育協会(上村優博会長、34家族)はこのほど会館の改修が終わったことから、28日夜、会員や聖南西地区日系団体関係者を招き、お披露目パーティーを行った。約200人が集まった会場で上村会長(60、福岡)は、「これからも多くの方に利用してもらい、コロニアはもとよりブラジル社会にも貢献できれば」と喜んだ。
カウカイア文協は1963年に創立された。
「最盛期は80家族ぐらいかな」と、副会長の工藤幸夫さん(67、二世)は、70年代を振り返る。
会計を務める高坂日出夫さん(64、同)は、会館建設の経緯を「会の行事などは、それまでコチアの倉庫を使っていたんだけど、72年ごろ、何かの理由でコチアが『貸さない』と。じゃあ自分たちで―ってことでね」
会館は73年に建設、2アルケールの土地に野球場、ゲートボール場(5面)を持ち、会館の面積は400平方米。日本語学校、寄宿舎もあり、野球、剣道も盛んだった。
会館は剣道場としても利用するため床は板張り。しかし会員減少に伴い、利用が減り、老朽化が進んだ。
上村会長は、「土地購入・会館建設は会員の寄付でまかなえたけど、現在は無理」と話す。
8年ほど前から、「ヤキソバ祭り」「すき焼き祭り」、非日系人に大人気だという「ビンゴ大会」などの行事を恒例化し、その収益金を改修費に充てることを計画。
ようやく今年、改修に取り掛かり、農業を営む会員が労働者を作業員として派遣した。総工費は5万レアル。ブロックむき出しだった壁の外・内面を塗装し、板張りの床をコンクリートに。
「最初は内輪だけで祝うつもりだった。他地方に住む元会員の先輩方に声をかけているうちに大きくなってしまった」と上村会長は、頭を掻きながらも、祝賀パーティーで笑顔を見せる。
あいさつでは、「会館が綺麗になったので、もっと利用してほしい」と話し、同地には約100家族が住むことから、「もっと会員が増えてくれれば」との期待も込める。
03年にブラジル日本文化福祉協会が地元文協に共催を持ちかけた「国士舘桜祭り」の運営にからみ親しくなった小川彰夫氏(当時文協会長)を介し、大部一秋在サンパウロ総領事に揮毫の色紙を頼んだ。
この日、鎌倉由明領事が「志」と書かれた色紙を届け、ステージ横の壁に貼られることになった。
小川氏も「誰かに支援を頼むのではなく、会員自身によるイベントで目標を達成したことは素晴らしい」と敬意を表した。
続いて、文協創立の歴史や資金捻出のイベントなどの活動が会場に映像で流され、和気藹々とした雰囲気で笑いも起こっていた。
聖南西文化体育協会(UCES)の山村敏明会長もレジストロから駆けつけ、乾杯の音頭を取った。
上村会長の発案でノーネクタイでざっくばらんに始まった夕食会は、婦人部が腕によりをかけたもの。
会員らは新しくなった〃我が家〃の出来栄えに嬉しそうな表情を見せながら、食事を楽しみながら、歓談を楽しんでいた。