ホーム | 日系社会ニュース | 「ジャポネース・ガランチード」=出版記念会に30人=丸山さん「生涯最後の大仕事」

「ジャポネース・ガランチード」=出版記念会に30人=丸山さん「生涯最後の大仕事」

ニッケイ新聞 2009年12月17日付け

 麗澤大学名誉教授の丸山康則さん(81、長野)著作の『ジャポネース・ガランチード―希望のブラジル、日本の未来』(モラロジー研究所出版、351頁、1700円)の出版記念会が10日夜ニッケイパラセ・ホテルで開かれ、取材に協力した人ら約30人が出席した。ブラジルモラロジー研究所後援。
 国会議員として日伯の架け橋を務めた上野アントニオ氏、移民医療に尽した医師の故細江静男氏ら10人の物語を、第1部「ブラジルで出会った人々」、第2部「日本発見の旅」、第3部「希望のブラジル、日本の未来」にそれぞれまとめた。
 日系移民10人との出会いを綴り、昨年6月に出版された『ブラジル百年にみる日本人の力』の第2弾となる。
 「1冊目で取り上げた10人ではまだまだ足りないと思った」という丸山さんは、昨年11月から今年2月までサンパウロ州やパラナ州で本人や関係者にインタビューを重ね、今回の出版にこぎつけた。
 出版会では、丸山さんが来場者一人一人に完成したばかりの本を手渡した。スライド写真で各地の訪問を振り返り、取材を受けた5人から、感想や思いが語られた。
 高梨一男さん(86、千葉)は、「本の出版で日本の人にも移民の歴史を知ってもらえれば」と発刊を喜んだ。
 今回の滞伯中に第3弾の出版に向け、アマゾンで農業技術に関する取材を予定しているという丸山さんは、「日本人以上に日本人らしい人たちの生き方を記録に残したいという使命感。これは生涯最後の仕事として、生ある限り3冊目、4冊目と多く書き残していきたい」と強い執筆意欲を見せた。
 各地の取材に同行するきよみ夫人は、「主人は、良い出会いを見つけて頑張り、情熱を持って打ち込んでいます」と優しい表情を見せた。
 同書の購入希望者は、ブラジルモラロジー研究所(電話=11・3834・4847)まで。

image_print