ホーム | コラム | 樹海 | コラム 樹海

コラム 樹海

ニッケイ新聞 2010年1月5日付け

 きょう4日は仕事始め。正月は屠蘇を酌みながら新年の夢を描くのが何とも楽しい。ところがー1年の邪気を払うという屠蘇散が手に入らず灘の生一本を紅染めの銚子に注ぎガロッパの刺身で喜びを静かに祝った。TVは2010年を祝う番組が目立ったが、客臘からの豪雨を伝える悲報の数々に驚く。リオは深刻であり69人が犠牲となったし、サンパウロも11人が死亡と哀しいニュースが多い▼目を政界に向ければ、焦点となるのは10月の大統領選挙であろう。今のところ、セーラ知事が最有力視され、ジルコ官房長官が2位につけており、恐らくこの2人による戦いの観測が支配的である。PTのルーラ氏が大統領に当選したときには、かなり左翼的な政策をとるのではないかの危惧もあったが、貧困者救済策が目立つ位でむしろ中道政治に近く、外交での活発な動きは特記されていい▼党内ではいろいろな腐臭もあったのにルーラ人気は異常な高さであり、この秘密は庶民的な人柄とアモリン外相を軸とした外交での活躍もあったに違いない。こうした世論を背景にしジルコ支持に繋がっていると見ていいのではないか。セーラ知事は、まだ出馬を宣言していないし、3月には表明するとしているが、どちらにしろ2人の決選になるだろう▼さて日本では鳩山政権がどうなるかーである。政治資金の難問もあるし、沖縄の基地も難しい。こちらも7月の参院選挙が最大の課題であり、民主党が単独過半数を獲得できれば、政権基盤は磐石となるのだが、自民党が圧勝すれば政局は混迷し鳩山政権の崩壊が起こるかもしれない。  (遯)

image_print