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大本=青年部長ら2人が来伯=10月の歌祭の準備も=「心が通い合う指導を」

ニッケイ新聞 2010年1月9日付け

 日本の宗教法人大本(出口紅・5代教主)から鈴木林太郎青年部長(38、神奈川)、伴津由・同副部長(29、滋賀)が7日に着伯した。 2人は5年振り2回目の来伯で、22日から24日、ジャンジーラ市の同本部で6歳から15歳の青少年を対象とした「第37回夏期学級」で指導、10月9日と13日に開催する、和歌を献じて平和を祈る「歌祭」の準備を進める。2月5日まで滞在予定。
 宗教法人大本南米本部(鹿内一民本部長)の藤本和治特派宣伝使と藤本パウロ毅事務局らと共に8日、本紙を訪れた。
 藤本宣伝使によると、同学級は、班別に分かれ共同生活を送ることで、規則正しい生活のリズムを身に付け、聴講、歌、体操、自炊などで人への思いやりを学び、子供の持つ素直な心を開くのが目的。
 鈴木部長は、「ブラジルは日本から遠いが、気持ちの中では近く感じる。知識を詰め込むばかりの教育より、道徳を重んじた、心が通い合う教育をしたい」と意気込みを語った。
 日本では宣伝部に属し、宣教師の世話をしている伴副部長は、歌祭で弓太鼓を担当する。
 「歌の朗詠や弓太鼓には日本的な感覚が必要。歌祭の稽古を通して、どこまでそれを伝えられるか」と課題を示し、「信徒と会えるのが楽しみ。こちらでの体験を日本に伝えたい」と意気込みを語った。
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 大本は、1924年からブラジルでの布教を開始。現在、北はレシーフェから南はポルト・アレグレまで12支部、信徒は1500人。
 南米本部のほか海外には、他にモンゴルやフィリピンなど14カ国に支部を持つ。10月の歌祭には5代教主も来伯する予定。
 歌祭は奈良時代から平安時代にかけて、各地の村々で行われた神事、芸能で、神の心を和めると共に一切の罪悪を祓うものであったといわれている。今では皇室の歌会始にのみ、その形をとどめるだけになった。
 1935年に「大本歌祭」として復興して以来、途中中断をはさみ毎年開催。09年には大本本部で61回目の歌祭を開催した。ブラジルでは初めて。
 歌祭では平和や愛、希望などのテーマで詠んだ献詠歌は弓太鼓のリズムにあわせ、八雲琴の奏楽とともに、夷振調(ヒナブリチョウ)で朗詠される。

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