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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2010年1月28日付け

 文協が迷走している。何の活動もない「出稼ぎ子弟教育委員会」、人気レストランシェフをメンバーにした「和風料理普及委員会」…。現在30の小委員会には、予算のついてないものも。そういえば「大豆普及委員会」は、ほぼ何の活動もせず、解散したようだ。これらを発足させては解散させる「思いつき委員会」があるのだろう▼聖南西文化体育連盟(UCES)の総会が今月16日に開かれ、聖南西地区初(ソロカバ)となるパウリストン(サンパウロ州選抜カラオケ選手権)開催が決定。その理由として「結束を強めるため」が強調された。連盟自体の行事がほぼないため、体制強化に繋げるのが目的だとか▼昨年12月の文協評議員会では「美空ひばりフィルムコンサート」が強行採決された。30万レアルの予算をつけた大イベントだが、評議員から〃興行団体〃と揶揄され、反対意見も多かった。大講堂の空調設備が優先―との真っ当な意見はさておき、このイベントに何の目的があるのだろうか▼例えが極端かも知れないが、精神的に効果的な拷問の一つに、スコップで土を掘らせて、それを埋めさせるというものがある。これを延々と続けさせると、うつ状態に陥るか、発狂してしまうらしい。団体にも目標や目的が必要だ。掘って埋めてを繰り返す文協のやり方は、活動をマンネリ化させ、コロニアの文協離れを増進させる▼今月23日にあったサンパウロ新聞主催の座談会「日系コロニアは必要か」に、木多喜八郎会長と山下譲二第一副会長が出席していた。あまりの暢気さに失笑した。元々、会長になる目的がなかった木多会長、何を学んだか。   (剛)

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