ホーム | コラム | 樹海 | コラム 樹海

コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年3月9日

 中国の全人代(国会)が開幕し、「習—李体制」がいよいよ始まる。温首相は「海洋強国の建設」を高らかに唱え、一人っ子政策の見直しに言及するなど威勢がいい。おっと忘れるところだったけれども、国防費予算の10%超増加もきちんと計上している。「海洋強国」は東と南シナ海で比、ベトナムと領土紛争を引き起こし、日本の領土である尖閣諸島も視野に置いている▼と、アメリカに次ぐGDP2位の巨大国家になったのは、おめでたい限りだが、この大国には、所得や都市と農村の経済的な格差も大きい。もっと深刻なのは、米のロスにあるとされる中国人の「妾村」に象徴される党幹部や官僚らの汚職と腐敗に塗れた救い難い危機である。中国共産党は、去る1月に「昨年の違法行為で処分された党員や官僚は16万718人」と発表した▼この処分組の95%が、禁断の愛欲に溺れ、愛人を囲って酒池肉林とも報告している。こうした腐敗幹部らの資産の海外逃避も凄い。米の調査では、この金額は2兆7千億ドルとし、米ニューヨーク・タイムズは、あの改革派の温家宝首相の一族が27億ドル(約2150億円)を不正蓄財と報道もしている▼党中央委員会204人の内、187名が家族や愛人を海外脱出させているの情報もあり、これら高級階級の実態は「謎のベール」で覆われている。勿論、劉志軍前鉄道相のように不正が暴露され党籍剥奪の人もいるけれども、このような中国の腐敗体質は旧来の陋習かもしれない。昨年、共産党総書記に就任した習近平氏は「汚職撲滅」を宣言したが、これで戦々恐々の幹部も多いに違いない。(遯)

image_print

こちらの記事もどうぞ

  • 《ブラジル》JBS社主兄弟の司法取引は罪深い「完全犯罪」2017年5月23日 《ブラジル》JBS社主兄弟の司法取引は罪深い「完全犯罪」  テメル大統領は20日午後3時前、緊急声明で「盗聴者は完全犯罪を行った」との異例の糾弾をした。ここから分かることは「JBSのバチスタ兄弟にはめられた」と大統領が激怒していることだ。ブラジルには「大物役者」がそろっていると思っていたが、今回ばかりは度肝を抜かれた。いくら政 […]
  • また潮目が変わったか2017年12月20日 また潮目が変わったか  社会保障制度改革が年末までに下院承認される可能性が13日にゼロになり、潮目が変わった感じがする。  ここ数カ月は株高、格付け上げ、レアル高、経済基本金利の下降が大きな流れだった。 […]
  • 《ブラジル》「ジウマの政策失敗のつけは、LJ作戦のそれより大きい」2017年4月25日 《ブラジル》「ジウマの政策失敗のつけは、LJ作戦のそれより大きい」  23日付エスタード紙の経済面トップは《ラヴァ・ジャット(LJ)作戦で疑惑を指摘された企業は、この3年で60万人弱を解雇》と報じた。最多解雇をしたのはペトロブラスで、13年12月に44万6千人いた社員が昨年末には18万6千人と、約26万人減、マイナス58%になった―との […]
  • 理想主義すぎるブラジル憲法と、遵法精神の少ない民2017年1月10日 理想主義すぎるブラジル憲法と、遵法精神の少ない民  古杉征己さん(42、広島県三原市)はブラジルで弁護士試験が始まってから、おそらく初の日本人合格者だ。一見、控えめな感じだが、内には強い意志と燃え盛る志を秘めている▼苦節十年で弁護士試験に合格した感想を訊くと、まず「苦労しました」と前置きしつつも、「こんなに格差が激しく、汚 […]
  • 不景気でも富豪が増えるブラジル2016年12月27日 不景気でも富豪が増えるブラジル  ブラジルは戦後最悪の不景気のはずなのに、富豪は増えるばかり――そんな不思議な数字をスイスの大手金融機関「クレディ・スイス」(以下CS)が公表したと11月23日付エスタード紙が報道している。「貧者優遇」を旗印にしたはずのPT政権の13年間で、実は社会格差が開いていたことが伺える […]