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国際交流基金=尺八奏者=三橋貴風さん来伯=「コロニアの思いを汲んだ演奏を」

ニッケイ新聞 2010年2月12日付け

 和の音色をブラジルへ―。尺八演奏家で文化庁文化交流使の三橋貴風さん(59、東京、琴古流尺八大師範)が来伯し10日、国際交流基金サンパウロ日本文化センターで記者会見を行った。三橋さんは24日まで滞在し、サンパウロ市の各地で演奏会やワークショップを行う予定だ。
 三橋さんは大学時代に尺八を始め、1972年にNHK邦楽技能者育成会を卒業後、佐々木操風氏や岡本竹外氏に師事し腕を磨いた。現在は海外公演を始め、多くの演奏活動に参加。邦楽を日本や世界に啓蒙するイベントも企画する。
 今回はブラジル人尺八奏者であるシェン・リベイロ氏や、ギター奏者のカミロ・カハラ氏との共演もある。
 会見で三橋さんは多くの日本文化が浸透しているサンパウロ市に触れ、「これほど日本の古典音楽を演奏するに相応しい場所はない」とし、「尺八はもともと、虚無僧(行脚僧)が亡くなった人の魂や、残された人の気持ちを供養するために吹いたもの」と説明。「100年以上の歴史がある日系社会の、いろいろな思いを汲んだ演奏ができれば」と意気込みを語った。
 会見後、13世紀に作られ、最古の曲と言われている古典「虚空(こくう)」を演奏した。
 公演予定は次のとおり。▽リサイタル=18日午後7時半、同センター1階大ホール(Av. Paulista, 37)、入場無料、▽ワークショップ(上級者向け)=18、19日午後3時~午後5時半、同センター1階大ホール(要申し込み、12日までにプロフィールを送ること。メール=info@fjsp.org.brまで)、▽日本邦楽公演=20日午後4時~5時半、イビラプエラ公園内、日本館(公演は無料だが、同館への入場料が必要)。
 問い合わせは同センター(電話=11・3141・0843)まで。

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