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東西南北

ニッケイ新聞 2010年3月4日付け

 2月27日未明発生のチリ地震後、伯米の対応で気になった事が一つある。28日に米国を発ったヒラリー国務長官は、2日のチリ訪問時に、衛星回線で通信できる電話25台を贈呈。一方、1日のウルグアイ大統領就任式後、チリに立ち寄ったルーラ大統領は、様々な支援は約したものの、その種の具体的行動はなかった。初の外国要人訪問という点はルーラ大統領が一歩先んじたが、当国の必要への即座の対応ではヒラリー氏に軍配。3日はブラジリアで上下院議長らとの会見、アモリン外相との昼食会と記者会見後、ルーラ大統領と会見し、夜はサンパウロ市ズンビー・ドス・パウマーレス大学で、学生や非政府団体、教育機関などの関係者とも会う。核兵器開発反対という点では一致を得ている両国だが、対イラン問題の合意は?
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 地震発生時チリに居たブラジル人の帰国が本格化。2月28日と2日の軍用機での帰国に対し、3日未明グアルーリョス空港着の156人は商用機での帰国第1号だ。サンチアゴ空港が非常事態体制で対応し始めた事で可能となった商用機運行で、3日のチリ行き商用機にはチリ人が殺到。空港復旧が遅れるとの判断で、CVCなどの旅行社は、ブラジル人帰国用の特別バスも仕立てた。2日まで確認された地震と津波による死者は799人に。
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 リオ市のシダーデ・デ・デウスで2日夜、乗客20人を乗せたマイクロバスを止めて乗り込んできた4人組が、ガソリンを撒き放火するという事件発生。逃げる間もなく火傷した乗客13人中12人が病院に運ばれ、6人は3日も入院中。対表面積の48%火傷の客ら重体患者も3人いる。警察では3日、2日午後逮捕された青年の親族3人から事情聴取を行い、地域の警備を強化した。

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