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東西南北

ニッケイ新聞 2010年3月9日付け

 新型インフルエンザ予防接種が8日から始まった。2月に死者の出たパラー州では、先週から前倒しで行われていたが、サンパウロ州では、元保健相でもあるセーラ知事も参加したキャンペーン初日、サンタバルバラ・ドエステで31歳の男性が新型インフルで死亡との報道。サンパウロ州では今年初の死者だが、19日までは、全国で、ボランティア奉仕を含む医療関係者と先住民対象の接種を実施中だ。
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 サンパウロ州ジュンジアイーで7日未明、子供が泣き続けていると通報を受けた軍警が、ゴミや食べかすだらけのバラックに置き去りにされた10歳未満の子供5人を保護した。母親二人が子供達を置いてバイレに出かけたもので、1歳未満の女児二人は担当の軍曹が自宅に連れ帰って世話。3人の子持ちで、2年前に娘を亡くした経験もある軍曹は「子供が欲しくても生まれない家庭や、子供を失い悲しみにくれる家庭もあるのに、家族の価値を認めない人がいる」と涙ぐみながら話していた。子供達は全員施設に移されたが、8日正午現在、母親らの警察出頭はなし。母になれても母であるのは難しい…。
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 国際的な金融危機でいわゆる出稼ぎ者が大量帰国したブラジルでは、09年の出稼ぎ送金は47億4600万ドル、08年比34・5%減に止まったと6日付エスタード紙。メキシコは前年比16%減の211億3200万ドル、ラ米全体も前年比15%減の588億ドルの送金だった中、ブラジルの減額率はラ米最大。01年以降、年17%の拡大を続けていた出稼ぎ送金の初の減額だ。
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 週末の雨で6日に6人の死者も出たリオ州では、サンゴンサロなどでまだ土砂崩れの危険がある。同州では8日現在3千人余りが避難生活中。

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