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福博村=「75年の歩み」が完成=スザノ=28日に発表会と懇親会=ゆかりの人に参加呼びかけ=大浦さん「村再生のきっかけに」

ニッケイ新聞 2010年3月19日付け

 スザノ市の福博村で入植75周年を記念して製作が進められてきた記念映像「福博村75年の歩み」が完成し、今月28日に発表会を兼ねた懇親会が同地で開催されることになった。「コロニアの文化村」と呼ばれた同村の歴史を後世へと伝える3時間の長編だ。福博村会の上野ジョルジ会長と斉藤パウロ副会長、実行委員長の大浦文雄さんが完成の報告に訪れ、ゆかりの人たちの参加を呼びかけた。

 1931年3月に原田敬太氏ら草分け2家族が入植して始まった福博村の歴史。記念映像の製作は福博村会が企画、入植75周年を祝った2006年に撮影を開始した。総撮影時間は50時間に及んだという。
 撮影・録音・編集は畑勝喜映像プロダクション。同年9月の75周年記念入植祭・敬老会を皮切りに、同地の歴史を語る座談会を行うなど製作を進めてきたが、畑氏が体調を崩したこともあり、完成が遅れていた。
 「遅れたからには良いものを作ろう」と、4年近くをかけて完成した同作品。監修にあたった大浦さんは「80周年の前にできて良かった」とほっとした様子を見せる。
 同作品について大浦さんは、「ただ村の歴史をたどるだけでなく、世界史、移民史の中に福博村の歴史を位置づけた。そうすることで歴史的な普遍性を持たせることができたと思う」と話す。
 2家族から始まり、70年代には約200家族を数えた福博村。現在同地に住んでいるのは120家族ほどで、高齢化も進む。大浦さんは、「映像は村の一代記。ただ、一代記で終わるのではなく、今回の発表会を村と外に出た人を結びつけ、福博を再生する第一歩にしたい。できると思います」と力を込めた。
 「福博は地盤がしっかりしているからやりやすいです」という上野会長は、入植70周年の時にも会長を務めている。「記念映像の発表会、来年の80周年という大きな行事がある時に会長となり、忙しいけれどやりがいがあります。今回の集いで景気をつけ、80周年に向かいたい」と意気込んだ。
 28日は午前10時に上映会を開始。終了後は昼食のシュラスコを楽しみ、午後4時ごろまで懇親会を開き、旧交を温める。
 来場者にはDVDのコピーを進呈する予定。当日は歴代の日本語学校教師や、50年ぶりに村を訪れる人など、約5百人の参加が見込まれている。日本語学校の第1回卒業生やその他、村出身者の紹介なども行う考えだという。
 村会では2カ月かけて村内外の関係者を調べ、370通の招待状を送った。その大半は福博の外に住む人たちだ。案内の一行は「招待状が届いていない人もいるかもしれません。ぜひ連絡してほしい」と村ゆかりの人たちの参加を呼びかけた。
 福博村会会館の住所は、Rua Alberto Jose Pereira, 95, Vila Ipelandia。問い合わせは大浦さん(電話=11・4742・6274)、または上野会長(11・4742・6384)まで。

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