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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2010年5月25日付け

 「ひとりっ子」政策に力を入れる中国は、それでも人が増えすぎて今や13億の人々を抱えて―恐らくは悲鳴を上げ参っている。その一方では小さな小さなミニ国家もある。100万人以下の国は40ヵ国以上にも達するそうだし、1000人に満たないところや3万人と少ししかいない世界で2番目に小さいモナコも健在なのである▼あの紺碧の海に長靴のように突き出るイタリア半島は、ローマ時代の栄光を誇るイタリアだけの国とするのは間違い―なのだ。カトリック法王庁のバチカン国があり、9億超もの信徒から崇められている。もう一つがサンマリノ国であり、4世紀に独立した世界最古の共和国だし、この3ヵ国が正しい▼「山頂の独立国」のニックネームがあるように山奥にあってNYのマンハッタン島と同じ程の領土に3万人が暮らし、経済的にも恵まれている。これまでに倒産した銀行はゼロを誇り、郵便切手はコレクターの垂涎の的になっているし、観光収入が国家予算を支えワインとチーズ産業も繁盛している▼この他にもスイスとオーストリアに挟まれたリヒテンシュタインも小豆島と同じ位の面積に3万5千人が住む豊かな国だし、ミニ国家を侮るなかれ―と叫んでいる。ピレネー山脈には東京よりも小さいアンドラ公国が元気に頑張っている。あのサンマリノ国は最長寿国だし、男性は日本の79を上回り81歳と長生きなのである。恐らく―山の奥の奥なので空気が澄んで旨いだろうし、名産のチーズを肴にしてのワインをチビリチビリが健康に最適であり長寿の秘密はここにある―らしい。(遯)

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