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ロンドリーナ=町の発展と歩んで73年=松尾進蔵さんの卒寿を祝う

ニッケイ新聞 2010年6月22日付け

 【ロンドリーナ発】地元で進ちゃんの愛称で親しまれる松尾進蔵さんが90歳を迎え、5月10日、子供たちが知人を招いて自営の食堂で「卒寿の祝」を催した。
 松尾さんは1920年5月8日、サンパウロ州リベイロン・プレット市近くのブラジル人ファゼンダで生まれた。37年に開拓期のロンドリーナ市に移転、写真屋を20年近く営んだが、54年に妻ふさ子さんがうどん屋を開業して大繁盛したため、写真店をやめ、家族で食堂経営を始めて半世紀が過ぎた。
 祝賀会当日には同地文協の広岡栄吉会長が自ら司会役を務め祝福した。ロンドリーナ法曹界の重鎮、田中寅松弁護士が招待客を代表して祝辞を述べ、「卒寿を迎えて、現役で活躍している進ちゃんの姿勢には感心している。今後も健康で白寿を目指して頑張って下さい」と激励し、乾杯の音頭をとった。
 またパラナ日伯文化連合会(リーガ・アリアンサ)の江頭美会長補佐は、日本の祝事である還暦、古希、喜寿、傘寿、米寿、卒寿、白寿について日ポ両語で説明、卒寿の説明には出席者から大きな拍手が上った。
 松尾さんの唯一の趣味はビリヤードで、家族はビリヤード台を模したケーキを用意したりと、会場は大いに盛り上がった。
 松尾さんは食堂の経営を子らに任せたあとも、毎日手伝っており、同地文協の行事にも、隣組16組の組長として世話役を務めている。また、60年に申年会を結成し、同年者は13人に達していたが、今は多くが他界され4人が残るだけ。99年には病気で夫人を亡くしている。
 今、家族は息子4人、娘2人、孫10人、5世となるひ孫3人と大勢の家族に囲まれている。(中川芳則通信員)

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