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サッカーから広がる日伯交流=日本カントリーの少年たち=山形で2週間の親善試合

ニッケイ新聞 2010年7月9日付け

 サッカーを通じた日伯交流の芽が、少しずつ育ちつつある。移民百周年の08年に山形県のサッカー大会に参加した日本カントリークラブの選手が、再び招待を受けて今月訪日することが決まり、団長として一行を引率する国井精さんらブラジル国際交流協会関係者と本紙を訪れた。
 日本カントリーと山形県との交流は、08年1月、移民百周年・日伯交流年を記念して開催されたサッカー大会に同県の羽黒高校から選手が来伯したことがきっかけ。同大会で優勝した日本カントリーチームが、7月に同県鶴岡市で開催されたサッカー祭に招待され17人が訪日、試合に参加した。
 今回訪日するのは14歳から17歳の選手32人と監督、助監督、副団長の遠藤健吉さんと大迫実さん。15日から30日まで日本に滞在し、山形市で地元高校と16試合、鶴岡市で6試合を行う。鶴岡のサッカー祭は6県から60チームが参加するという。
 前回の大会では11試合を戦い、同チームは7勝2敗2分の好成績を収めた。今回キャプテンを務めるオオグスク・コウイチ・アレシャンドレさん(14)は、「一生懸命に練習して、日本のチームといい試合をしたい」と抱負を語り、さらに「日本の習慣も学びたい。買い物も楽しみ」と期待を表す。10日夜には同クラブの貴賓室で壮行会が開かれる予定だ。
 団長の国井さんは、10数年前から羽黒高校との野球やサッカーの交流に携わり、百周年のサッカー大会開催にも尽力。こうした交流の輪を続けようと昨年、同クラブから要請を受け有志18人で「ブラジル国際交流協会」を立ち上げ、理事長を務める。
 国井さんによれば、前回の訪日で「選手たちのマナーが良かったことが喜ばれ」、今回の招待につながったという。国井さんは「三世、四世の子供たちに祖先の母国、日本を知ってもらえたら」と力を込める。
 滞在中は山形学院高や羽黒高、鶴岡東高などが宿舎、移動等で協力するほか、今回は協会として活動していることで天童市も市の宿泊施設を提供。吉村美栄子県知事や天童市長、山形新聞・山形放送、鶴岡市のアマゾン民族館などを公式訪問することも決まっているという。
 「小さく、長く交流を続けたい」と話す国井さん。「皆さんから身に余る心遣いをしていただいている。身の入った交流ができると思う」と語った。

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