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東西南北

ニッケイ新聞 2010年8月11日付け

 パラグアイのフェルナンド・ルゴ大統領(59)がリンパ腺のガンにかかっていることが判明し、サンパウロ市のシリオ・リバネース病院に入院する事となった。パラグアイ側の発表によれば、発見当初の予想より進行していたため、サンパウロ市では、他の臓器への転移の有無も含め、より精密な検査と3週間の化学療法を受ける予定だという。
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 投獄刑は一生分以上? それは、5年前の8月にセアラー州で起こった89メートルのトンネルを掘りフォルタレーザ中央銀行から1億6480万レアルの現金を盗むという前代未聞の強盗事件の判決。盗んだ金を遣い込んだ美容師ジェニグレイ・アルヴェス・ドス・サントスに160年の刑が下った。強盗を企てたリーダーで弟アントーニオの刑罰は36年。ジェニグレイの刑はその4・4倍、実際に強盗を行う以上に金を遣った人の方が罪は重いとか。その他の4人に下された判決と合計すると、同事件の刑罰は281年になる。
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 10日朝、サンパウロ市の地下鉄東西線が突如止まり、電気まで消えた。間もなく入ったアナウンスでは、セー駅の線路にある物体除去のための停止で電力も切られたという。放送が終わった途端、乗客の1人が「また誰か死んだな」とつぶやく声も聞こえてきた。昨年、ポルトガル語の試験を受けに行った時にはタツアペ駅での物体除去だったと記憶しているが、あの時も、面接時間に間に合わないと拾ったタクシーの運転手が、「この頃その手の事故が増えたね」といったのも思い出す。ブラジルの自殺率はここ20年で10万人当たり3・44人から4・68人にと36%も上がっており、庶民の反応もまたかという感じに。投身自殺は日本の十八番(おはこ)だと思っていたのに…。

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