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希望の家40周年=障害者に尊厳ある人生を=上村会長「全ての救いの手に感謝」=聖隷学園からも駆けつけ=協力団体、個人を表彰

ニッケイ新聞 2010年8月28日付け

 重度知的障害者が入居する福祉施設が入居する社会福祉法人『希望の家福祉協会』(上村ジャイロ会長)の創立40周年を祝う式典が20日夜、サンパウロ市議会の主催により開かれた。神谷牛太郎、羽藤ジョージ、アントニオ・ゴラール3市議らの発案によるもので15の団体・個人に功労賞が送られた。翌21日には、イタクァケセツーバの同園で式典やシュラスコ会が開かれ、約350人が節目を祝い、福祉事業の重要さを噛み締めていた。

 式典では、創立者の故市川幸子氏に対し一分間の黙祷が捧げられた。続けて「希望の家」の40年の歩みをまとめたDVDが流された。
 神谷、羽藤両市議、ウィリアン・ウー連邦下議のあいさつに続き、上村会長は、「創立者らの信仰の力と日本側の経済的支援なくして現在はない。『尊厳ある人生を』と助けの手を差し伸べてくれた全ての方に感謝したい」と話した。
 同園建設に約1億円の寄付を行った長谷川保氏が理事長を務めた聖隷福祉事業団の学校法人「聖隷学園」の堀口路加専務理事は、「弱い人の回りに集まることは愛を生む。困難となったとき、何のために始めたか原点に立ち返ることが大事。長谷川氏の『世の中に必要なものは成り立つ』という言葉を贈りたい」と40年の節目とこれからの発展を祈った。
 アルジャーゴルフクラブ、サンタンデール銀行、サンタクルース病院など同園の運営に対し、長年支援を行ってきた15の団体、個人に功労賞が送られ、出席者からは拍手が起きていた。
 16年間会長を務め、功労賞を受けた木多喜八郎さん(現文協会長)は、「当時は素人ばかりで何とかやっていた。功労賞を貰い嬉しい」と笑顔を見せていた。
 翌21日には、イタクァケセツーバの同園でも式典が開かれ、約350人が出席、33人に感謝状が手渡された。
 歌手平田ジョーさんによるショーも行われたシュラスコ会が盛大に催され、多くの人で賑わっていた。

【希望の家40年の歩み】

 1958年に来伯した市川幸子氏は、社会福祉法人「こどものその」創立・運営に携わる傍ら、日系社会の福祉事業や障害を持つ子供たちの状況をつぶさに視察。聖市西北部にあるブラジランジアに自ら『希望の家』を創立、63年に最初の子供を受け入れる。
 初年の入居者は5人だったが、年々増えつづけ、『希望の家福祉協会』(初代会長・渡辺久子)が政府の認可を得て発足した70年には、40人に達していた。
 聖市近郊イタクァケセツーバに2アルケールの土地の寄贈を受けたことから、78年新施設建設委員会が発足。コロニアで募金活動が展開された。聖隷福祉事業団理事長だった長谷川保氏が建設費の半額にあたる1億円を寄付、同年8月に完成した。
 現在、40人の理事、79人の職員が運営にあたり、81人の入居者がいる。年間行事として「緑の祭典」を実施、運営資金を捻出するとともに地域に開かれた施設を目指している。

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