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援協=グアルーリョスに新診療所=市と協同、日系初のSUS受付

ニッケイ新聞 2010年9月1日付け

 サンパウロ日伯援護協会(援協、森口イナシオ会長)傘下の日伯友好病院(天内ヴァルテル院長)が提携を結ぶサンパウロ州グアルーリョス市との共同事業で新設した整形外科診療所(Av. Bom Clima, 182)で8月24日、翌日の開院を前に森口会長、セバスチョン・アルメイダ同市市長らにより除幕式が行われた。
 援協にとって、地方自治体との提携による初の診療所で、日系の医療機関として初めて統一医療システム(SUS、Sistema Unico de Saude)を受け入れる診療所となる。
 2階建てで、整形外科、針治療、理学療法、レントゲン撮影等が可能で、診察時間は月から土曜日の午前7時から午後7時まで。窓口でSUSカードの提示が必要。無料で診察、検査、治療が受けられる。
 除幕式では、森口会長があいさつし、同診療所は市との提携事業であり、建物を市が準備し、管理、経営を友好病院側が行うことなどと説明し、今後の提携を強調した。
 アルメイダ市長は、同診所で友好病院と同質の診療が受けられる事への期待とともに、市にとって健康面の大きな向上を見込めるとして、感謝の思いを述べた。
 カルロス・デルマン市保健局長、パウリスタ医師会ジョゼ・セルジオ同市支部長、ダギネル・トゥーリ同保健審議会会長、総領事館の後藤猛領事部長らも祝辞を述べ、その後、プレートの除幕が行われ、共に施設内を見学した。
 森口会は取材に対し、「今後はブラジル人に対しても支援の対象を広めていくのが目標。市とは互いに助け合っていきたい」として今回はその大きな一歩となる旨を話した。
 援協が受け、免税の対象になる福祉団体の認可には、SUSの受け付けや利益の還元等の規定があり、年々審査が厳しくなり、今回の診療所はその規定を踏まえて開院された。
 関係者によればサンパウロ市保健局とも提携の話を進めており、SUSを受け付ける病院の経営も視野に入れているという。
 会長はじめ、援協関係者らは同診療所に程近い市立救急病院にも足を運び、視察を行った。
 提携事業の一環で同病院には友好病院がCTスキャンを供与し、技術者を派遣している。同機具は5月から利用されている。

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