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三重大=3教授が調査に来伯=日系社会の状況視察

ニッケイ新聞 2010年9月15日付け

 三重大学人文学部文化学科の藤本久司准教授、児玉克哉教授、石井眞夫教授が、ブラジル日系社会の全体状況について調査するために6日から10日まで滞伯し、最終日に来社してその印象をのべた。
 同県にはブラジル人が2万人前後在住し、日本人の地域住民と生活面で軋轢を起こしたり、仕事上での問題を起こしているため、同大学で調査やインタビューをすることが多々あり、本国の日系社会の全体状況をふまえるために今回の調査になったという。
 藤本准教授によれば、県内には住民の半分がブラジル人という団地があり、新入生徒の半分以上がブラジル人という小学校が2~3校あるという。「想像以上に日伯間の日系人同士のつながりが強いと感じた」とのべた。
 児玉教授は「日伯関係が日系社会に及ぼす影響、一世減少と共に変化する日系社会と日本にいる日系人はどう関わるのかなど改めて関心を深めた」との印象をのべた。
 石井教授も「最初はブラジルにきた日本移民が困難な文化適応に直面し、その後、訪日したブラジル人、現在は帰伯したブラジル人子弟が同じ困難を繰り返している」との分析に加え、「在日ブラジル人は、こちらの日系社会ほど組織やつながりを作っていない」と感じているという。
 三重県とサンパウロ州が姉妹州県提携を結んでいることから、一行は10日午後、サンパウロ総合大学(USP)に向かい、今後の大学間協定についての話し合いが行われた。

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