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アセル=55年の節目に先人顕彰=ロンドリーナ=歴代会長、議長らの顔写真飾り=「これまでの活動に感謝」

ニッケイ新聞 2010年9月22日付け

 ロンドリーナ文化体育協会(ACEL、広岡栄吉会長)が今月7日、創立55年目の記念の日を迎えた。同日、同会会館で歴代会長、評議会議長の顔写真が並べられた記念プレートの除幕式を行い、元会長、議長らが出席。あわせて第36回アセル芸能祭も開催され、歌謡、舞踊などが披露され賑わいを見せた。

 除幕式には広岡会長(65、二世)、元会長、議長ら12人、代理としてその夫人2人が来賓として出席し、壇上で挨拶した。
 広岡会長は、平間靖旺(やすお)現議長の発案により歴代会長、議長の顔写真の展示を決めたことを報告し、「アセル創立の日に当たる今日、除幕式を行えることを嬉しく思う。昔から会のため働いてくれた人の写真を飾ることで感謝を表すことになる」と述べた。
 除幕が行われ、壁一面に飾られた36枚の写真がお目見えすると喚声と拍手が湧き、次いでケーキカット。来賓らには花が贈られた。
 演芸会では同地から20を超す団体がカラオケ、民謡、詩吟などの公演を行い、同会の下部組織「組」対抗の歌謡大会が開かれた。
 笠戸丸移民最後の生存者であった故・中川トミさんのひ孫にあたる裕樹くん(9歳)が「高原列車は行く」を披露。アベック部門で熟年夫婦の息が合わず、歌詞を間違える場面もあり励ましの手拍子と温かい雰囲気が会場に流れていた。
 「厳しい状態が続いています。他国のルーツを持つクラブも同様です」と同会の現状を語る広岡会長。母は同地の第一入植者。「一昔前は行事も多く、楽団もありピクニックやトラックの荷台に乗って500キロ離れた海に遊びに行ったりした。いい思い出です」と当時の同会の様子を振り返り、「今は日本人なら会員になると言った雰囲気はもう希薄。活動は小さくなっていく」と憂慮する。
 そんな中、自身が在籍した楽団「ビギーボーイズ」とその後身「アカウ」など、往年のメンバーが20数年ぶりに集まり、新しく「昭和バンド」を結成した。
 10月17日開催のパラナ紅白歌合戦で伴奏を務める予定で、忙しい仕事の合間を縫って練習に励む。
 広岡会長は「こんな状況でも楽しい事を続けて行く努力をしたい」と意気込んだ。
 ロンドリーナ文化体育協会=原型は1933年発足のロンドリーナ日本人会。現在14の「組」を傘下に、600家族の会員を抱える。会館周辺に7つの野球場を持ち、歌謡、サッカー、パークゴルフ、テニス、卓球部などを所有。

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