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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2010年10月19日付け

 金正日総書記の3男・金ジョンウン氏が「大将」となり後継者に決まったそうだ。漢字では「正恩」であり、只今27歳の若き将軍さまながら「統率力」があって「親分肌」と、側近らの評判は真にいい。これまでにも、次は正恩氏が北朝鮮の指導者になるの観測が高かったし、金総書記の先頃の中国訪問も、この難問についての了解を取り付けるのが目的だったの見方が強かったが、どうやら正解だったようだ▼それにしても―である。あの38度線から北の国は、朝鮮民主主義人民共和国というかなり長い国名なのに金日成主席から金正日総書記、そして3男・正恩氏と建国のときからの世襲国家というのは、21世紀の世には余りふさわしくはない。まあ、こうした政治的権力を同じ家系で繋ぐの手法は中国や日本にもあったし、朝鮮半島もまったく同じなのである▼しかし、中国と日本では過ぎ去った歴史的なものであり、もうこんな世襲システムはない。しかも、「首領さま」だけではなく、労働党や最高権力機関の幹部にも、総書記一家の親族や姻族がでんと座っている。総書記の実妹・金慶喜党部長が政治局員になり、夫の張成沢氏が政治局員候補と中央軍事委員に就任しているのが見本と云っていい。ここまでになると、もう「金帝国」と呼んだ方がよさそうなのである▼そして―独立してからこの国がやったのは、韓国に侵攻の朝鮮戦争や大韓航空爆破、核実験・軍事ミサイル試射と真に物騒極まりない。この軍事最優先である「先軍政治」の結果が、国民の飢餓では笑うにも笑えない。ここは―やはり世襲国家の悲劇と金一家の罪を問いたい。(遯)

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