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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2010年10月26日付け

 日本はマツタケが大豊作だそうだ。近頃は「茸の王様」とされ珍重される松茸も、アカマツの林や森がきちんと整理されなかったり落ち葉が何層も積み重なってしまい不作が続き、中国や韓国―そして太平洋の向こう側の米やカナダからの輸入に頼っていた。あの松茸ご飯や炭火で焼いた秋の味も京都などの国産だと超に超がつく値段になってしまい庶民の口には遠い存在になってしまっていた▼ところが―今年は長野や岩手県の山々にいっぱい育ち、地元の人々もびっくりしているらしい。何故―こんなに育つのかは、はっきしないけれども、専門家らは、あの真夏日の酷暑があり春の長雨と秋の冷え込みが幸いしたのではないか―と見ている。場所によっては、昨年の5倍以上も収穫され、販売価格も例年の半額よりも、もっと安い―と、山の人々はいささか面白くない面持ちだそうな▼日本一の生産量を誇る長野県では、一本が500グラムの超大物が採れたりと話題は尽きない。それにしても、昔は松茸もながらキノコは豊富だったし、10月ともなれば茸狩りを楽しんだものである。山の中で生まれ育ったのでシメジやナメコなどがあり子どもでも竹で編んだ籠がすぐ満杯になるほどだった。今年は松茸豊作の悦ばしい報道もあるが、毒キノコ中毒で倒れ病院に担ぎ込まれた人も▼日本には約5000種のキノコがあるそうだが、人命に拘わったりする毒のあるのは200種類ほど。なかでもツキヨタケ、ニガクリタケ、クサウラベニタケらが嘔吐や腹痛を起こし危険らしい。まあ、ここは松茸で軽く一盃して秋の風景を楽しみたい。(遯)

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