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「環境ナンバー1を狙う」=環境配慮した新工場に=トヨタ財団が報告書刊行=地域社会と共に意識向上

ニッケイ新聞 2010年11月10日付け

 伯国初のエコファクトリー(環境考慮工場)を建設――ブラジル・トヨタ財団(リカルド・バストス理事長)は4日晩、聖市アニェンビー国際展示場で開催していた第26回国際モーターショーのトヨタ・ブースで、環境報告書の発刊パーティを行い、現在建設中のソロカバ工場を環境に最大限配慮したエコファクトリーにすると発表した。昨年設立されたばかりの同財団だが年間予算は200万レアル、同工場以外にもすでに幾つものプロジェクトがあり、同社が環境重視する姿勢をアピールしている。

 「ブラジルの自動車メーカーでは初めての取り組みです」。ソロカバ新工場のプロジェクト・マネージャー、賀数(かかず)シジネイさんは、そう胸を張る。
 エコファクトリーとは、工場の企画段階から操業まで環境対応を織り込んだ仕組みを構築・展開することだとし、具体的には(1)異常・苦情ゼロ、(2)水の再利用や雨水利用などの自然資源の有効活用、(3)埋め立てゴミを出さない(リサイクルするか、焼却する)と説明した。
 新工場内に森作りも計画しており、今月初めに日本から生態学者の宮脇昭さんを調査のために招き、来年から植林する木の種類の選定などを依頼している。宮脇氏はその土地本来の多種類の樹木を混ぜて植樹する「混植・密植型植樹」を提唱し活動している。
 「従業員はもとより、地域住民や学校の生徒を招いて一緒に植林してもらい、環境教育の場にも活用していきたい。環境ナンバー1を狙います」との抱負を述べた。
 同工場は12年9月に稼動開始する予定で、当初の生産台数予定は年間7万台だという。
 一方、バストス財団理事長は、活動資金はすべてトヨタ自体が捻出していると説明する。財団が発足したのは昨年4月だが、環境対策は長年取り組んでおり、報告書も今回が5回目だという。
 最大のプロジェクトは南麻州のパンタナル大湿原で実施されている「青いアララ(コンゴインコ)」。21年前から四駆車両提供などを続け、州都カンポ・グランデに持続性センターを建設し、環境思想普及に務めている。開始当初は1500羽しか確認されなかった貴重な青い個体が現在では5千羽まで回復しているという。
 同理事長は「地域社会や学校など、みんなで環境意識を高められるような社会貢献活動をしていきたい」と強調した。

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