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国際麻薬密売グループ検挙=22人逮捕、コカイン2・4t押収=総指揮官は日系の市議会顧問

ニッケイ新聞 2010年11月19日付け

 17日、サンパウロを軸にボリビアからブラジル国内、アフリカ、ヨーロッパへと大量のコカインを密輸していた国際麻薬密売グループのメンバー22人が逮捕された。国内では最大規模と考えられる国際犯罪組織は、10カ月間で2800万レアルの収入を得ていた。18カ月にわたる捜査中、連邦警察が押収したコカインは2・4トンに及んでいる。18日付伯字紙が報じた。
 ヨーロッパや他のラテンアメリカ諸国の協力を得て進められた捜査により、サンパウロ、マット・グロッソ、マット・グロッソ・ド・スル、パラナ、リオ・グランデ・ド・スルの6州で22人を逮捕。ブラジル人1人が逃亡しているほか、逮捕命令が出た外国人7人の処置に関しては、現地警察や国際刑事警察機構(Interpor)が引き受ける。その他、すでに拘留中のメンバーも20人いる。
 同グループにはヨーロッパ、アフリカ、他の南米諸国の外国人も絡んでおり、その活動は、供給、販売、輸送、管理の4部門に分けられる。
 実際の動きとしては、ボリビア、サンタ・クルス市から小型ジェット機で国境付近のブラジルの町に持ち込まれたコカインは、トラックでサンパウロにある倉庫へと運ばれる。ジェット機内では機体や翼部分、トラックではダッシュボードの中に隠して輸送を行っていたとされる。
 サンパウロで精製されたコカインは陸路でブラジル市場へ流す。ヨーロッパやアフリカへは船で送っていた。国外輸出ルートの1つはリオ・グランデ・ド・スル州のリオ・グランデ港だったことが分かっている。
 連邦警察は18カ月の捜査期間で計2・4トンのコカインを押収。17日は、拳銃や手榴弾などの武器のほか、輸送に使われていた車33台、小型ジェット機2機を押収した。捜査にあたったイヴォ・ロベルト・コスタ・ダ・シウヴァ刑事は「同グループは国内最大規模の国際犯罪組織。国際的な麻薬密輸の大きな歯止めになることは間違いない」と話している。
 また、同グループの総指揮官は、サンパウロ州ペレイラ・バレット市議会法律顧問を務める日系の松田リベイロ・マサオ氏であることが発覚。警察の調べによれば、同氏は唯一全ての部門の動きを把握していた人物だという。18日午後、同氏は市議会より免職されている。

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