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大相撲=魁聖が十両初優勝=初の幕内力士誕生か=母国相撲連も喜びの声

ニッケイ新聞 2010年11月30日付け

 先月28日まで福岡国際センターで開かれた大相撲11月場所で、ブラジル出身の魁聖(友綱部屋、本名リカルド・スガノ)が十両初優勝を果たした。来場所での新入幕が有力とする報道もあり、ブラジル人初の幕内力士誕生の可能性が高まってきている。訪日4年、十両昇進から3場所目で成し遂げた優勝。母国の相撲関係者に喜びの声を聞いた。

 日系の父とイタリア系の母を持つ魁聖は1986年生まれ。柔道から16歳でサントアマーロの昭和地区で相撲を始め、2年後の04年に全伯選手権準青年の部で2位、翌年の全伯大会無差別級で優勝し、同年の世界相撲選手権でも銅メダルを獲得した。
 訪日したのは06年。同郷の元十両・若東の紹介で友綱部屋に入門し、同年9月場所で初土俵を踏む。195センチの体格を生かし、07年に三段目、08年に幕下に昇進。今年の5月場所で勝ち越し、ブラジル出身力士としては隆濤、国東、若東に次いで4人目となる十両昇進を果たした。
 昇進後は、7月場所8勝7敗、9月場所7勝8敗の成績を残し、そして今場所、4敗の4人による優勝決定戦を制し初優勝を決めた。十両東六枚目の今場所は初日から5連勝と好調なスタートを切ったが、左肩を痛めて2連敗。日本のスポーツ紙「デイリースポーツ」によれば、兄弟子・大関魁皇の頑張りに刺激を受けたという。「初めての優勝だからめちゃくちゃうれしい」と喜びを表した。
 「毎朝テレビで見ていたが、優勝まで行くとは想像もしていなかった」と話すのは、伯国相撲連盟前会長の赤木政敏さん(79)。スガノ選手が訪日する時、「大相撲に入るのは簡単じゃない。覚悟して行かんと」と話したという。「彼は『頑張る』と言ってましたよ。頑張ったよね」と喜ぶ。
 入門当時135キロだった体重は現在177キロ。同じ昭和地区で成長を見てきた篭原功ブラジル相撲連盟会長(70)は、「少年の頃から体格が良かったけど、もっと大きくなった。次の場所の成績が良ければ(幕内入りの)見込みがあるんじゃないか」と期待を表す。「前を向くと力があるけど、まだ横が弱い感じがする」としながらも、優勝の知らせに「嬉しい。父親も喜んでいるでしょう」と語った。
 ブラジル後援会立ち上げの声もあるようで、「(来年1月の)定期総会でそんな話があるのでは」と篭原さんは話した。
 4年前に日本へ出発する時、本紙の取材に「関取にあがったら、一番最初に母さんを呼びたい」と語っていた魁聖。夢の実現が近づいてきている。

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