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日本語教育リレーエッセイ=第8回=「保護者もがんばらなきゃ!!」=玉城加藤秀子エリーザ

ニッケイ新聞 2010年12月4日付け

 私は日系三世で子供2人の母です。長男は現在7歳で次女は4歳です。
 今年の8月からタウバテの日伯文化協会の日本語学校へ通い始めました。2人が喜んで日本語学校へ行くので私はとてもうれしいです。
 私が日本語学校へ入学させた理由は、子どもたちにもっと自分の「origens(起源)」を知って、体験して覚えてほしかったからです。
 幼いころ祖父と祖母が一緒に住んでいたおかげで私は日本語、そして日本の文化のことをいろいろ教えてもらいました。父と母も日本語ができたので5歳までは日本語だけを使っていました。
 そこで、息子が生まれて2~3歳までは、私はできるかぎり日本語で話したり、日本語の童揺や言葉をいろいろ教えようとしていましたが、やっぱり家の中で日本語を使わないとちょっと難しいです。うちでは私はまだ少し日本語ができますが、主人は同じ日系三世でも、日本語は少しわかるがあまり話せませんので、子供との会話も結局ポルトガル語になってしまいます。
 現在私たちはグローバリゼーションという時代にいて、テレビや、インターネットなどでいろいろなところから情報がすごいスピードで入ってきます。その他に子供たちも昔より早く学校へ通い始め、家にいる時間も少なくなりました。
 それに、親たちも両方が働きに行く家庭も増えて、親がうちで日本語を教えるということはだんだん少なくなり、また、日本語のできるお父さんとお母さんも今では少ないと思います。
 恥かしいけれど私なんかはテレビとブラジル学校には勝てず、我が子にはあまり日本語を教えることができませんでした。それでできるだけ早く日本語学校へ送りたかったのです。
 タウバテに引っ越してから5年になりタウバテの日伯文化協会のことを知り、日本語学校にめぐり会えてとてもうれしいです。
 読み書きそして会話ももちろん大切だけど保護者として、私の願いは、日本語だけではなく、うちではもうあまり経験のできない日本の文化を子供たちに伝えたいのです。私が一番今の日本語学校に手伝ってほしいのは子供たちに自分が日系であるその意味、そしてその誇りをもたせたいのです。
 読み書きは語学学校ででも覚えられます。今の継承日本語教育でしか教えられていない、「ラジオ体操」、「童謡」、「折り紙」、「書道」、「昔話」など、日本の文化のイベント「運動会」や、「新年会」、「もちつき」、「敬老会」など、その行事の意味を教え、体験をさせたいのです。
 または、日本の料理、歌、遊び「おてだま」、「じゃんけん」、日本語でしかない言葉、たとえば、「お疲れ様です」、「いただきます」、「ごちそうさま」、「もったいない」、「ただいま」、「おかえりなさい」などの意味の大切さと使い方も子供たちに教えるために力がほしいのです。
 自分の考えでは、ここに書いたようなものや、継承日本語教育があるからこそ、今でも日本の文化や習慣が少しでも私たちの日常生活の中に残っていると思います。こんな大切なものが消滅したら本当に残念です。
 日本語学校が、友達がいて楽しくていつまでも行きたい所でありますように、私たち保護者も忙しいけれど、がんばってもっと学校の行事に参加、活動し、継承日本語教育に力を貸し、盛り上げていかなきゃいけないと思います。
 いつか子供たちが、日本語学校へ行ってよかった、日本語を勉強してよかったと、心から思う日が来るように祈っています。

玉城加藤秀子エリーザ

 サンベルナルド・ド・カンポ市出身。トレメンベー在住。

写真=運動会の様子

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